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HOMESIGHTSEEING郡山市の観光スポット|原野を拓いた水の道と、桜と古墳の町を北から歩く

郡山市の観光スポット|原野を拓いた水の道と、桜と古墳の町を北から歩く

監修:鈴king.(鴉番組/オカルト・ホラー取材7年)

目次

この町の観光スポット(北から順)

番号は記事の紹介順(北から順)と同じです。ピンを押すと名前が出ます。位置はおおよそのものです。

  1. 銚子ヶ滝 安達太良山の麓にある、日本の滝百選の一つ。酒を注ぐ銚子に似た形が名の由来。紅葉の名所でもある。
  2. 雪村庵 室町時代の画僧・雪村が晩年を過ごしたと伝わる庵。三春町との境に近く、桜の古木と竹林の小道が残る。
  3. 開成山公園 約30ヘクタールの市民の公園。安積開拓の灌漑池と、約1300本の桜が日本遺産の構成文化財になっている。
  4. 開成山大神宮 安積開拓の開拓民が心のよりどころとして創建した神社。安積疏水の通水式が執り行われた場所でもある。
  5. 東光寺と中地大仏 猪苗代湖の南、湖南町にある寺。高さ約3メートルの阿弥陀如来坐像は、東北最大の坐像といわれる。
  6. 麓山公園と安積疏水麓山の飛瀑 宿場昇格を記念して造られた松林の公園。安積疏水の完成を祝って造られた滝が、国の登録有形文化財。
  7. 郡山市立美術館 東部の丘に建つ美術館。ターナーなどのイギリス美術、岸田劉生ら近代日本の絵、雪村の屏風を所蔵する。
  8. 大安場史跡公園 阿武隈川の東の丘に残る古墳群。1号墳は全長約83メートルで、前方後方墳としては東北最大の国史跡。
  9. 布引高原 猪苗代湖の南に広がる標高約1080メートルの高原。風車33基が並び、磐梯山と湖を望む風の高原。
MAP DATA © OPENSTREETMAP CONTRIBUTORS
この町の基本情報(所在地・最終確認日・ご注意)を見る
所在地
福島県郡山市
最終確認
2026.10.05
ご注意
営業時間・料金・休業日は変わりやすいため載せていません。お出かけ前に各施設の公式サイトでご確認ください。

郡山市ってどんな町?

郡山市は、福島県の中通りの真ん中にある、県内で人口の多い市です。市の東西は広く、西は奥羽山脈を越えて猪苗代湖の南岸にまで及び、東は阿武隈高地に届きます。市街地は、海抜245メートルほどの平らな安積原野に広がっています。「商都」と呼ばれるほど経済の中心として栄えていますが、城下町でも港町でもない、少し変わった出自の都市です。

江戸時代の郡山は、奥州街道の宿場でしたが、水の乏しい原野が広がり、人口は5000人ほどだったと伝えられます。町が大きく変わったのは明治です。猪苗代湖の水を引く安積疏水が開かれ、士族たちが全国から入植して、荒れ地は田畑に変わりました。この記事では、緯度の大きい順、つまり北から順にスポットを紹介します。山麓の滝から始まり、桜の公園、古墳、そして猪苗代湖の南の高原へ南下していきます。

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1. 銚子ヶ滝

銚子ヶ滝は、郡山市熱海町石筵の安達太良山麓にある滝で、日本の滝百選に選ばれています。高さは約48メートルとされ、名の由来は、水の落ちる形が酒を注ぐ銚子に似ていることだと伝えられます。秋には周りの木々が色づき、紅葉狩りの場所としても知られます。

ここへたどり着くには、車を停めたあと、山道を歩く必要があります。牧場の道を通る場合でも、登山道の入口から徒歩で20分から40分ほどかかるとされ、整えられた観光地というより、山の奥で水の音に出会う場所です。足元の天候や道の状態を事前に確認し、無理のない装備で向かってください。

周辺には、母成グリーンラインという山あいの道があり、牧場などの観光地が点在します。この道はかつて有料道路でしたが、2006年から無料で開放されています。滝の水は、安達太良山の雪解けと雨が育てたもので、山と町をつなぐ水のめぐりを、いちばん身近に感じさせてくれるスポットです。

2. 雪村庵

雪村庵は、郡山市西田町にある小さな庵で、室町時代の画僧・雪村周継が晩年を過ごした場所と伝えられます。建物がいつ建てられたかははっきりせず、いまの建物は後の時代に建て直されたものです。1658年、三春藩主秋田氏の菩提寺の僧が、土地の古老から雪村の隠棲の地だと聞いて、庵の扁額に書き残しました。その後、藩主に願い出て荒れた庵を再建し、「桜梅山雪村庵」と名づけたそうです。

もともとこの一帯は「李田」という地名でしたが、のちに「雪村」へと改められたと伝わります。画家の名が、そのまま地名になったことになります。庵の正面には、「雪村桜」と「雪村梅」と呼ばれるしだれ桜と梅の古木があり、桜の名所のひとつです。庵の左手の小道を進むと、竹林の中に、雪村の墓と伝えられる大きな花崗岩の石があります。

当サイトの見方では、雪村が晩年にこの静かな里を選んだのは、都の華やかさから離れて、自分の筆と向き合う時間が欲しかったからではないでしょうか。これは推察ですが、竹林を抜ける風の音や、季節ごとに変わる桜と梅の気配は、水墨画の余白のようにも感じられます。雪村の絵は、郡山市立美術館に所蔵されているとされ、庵とあわせて訪ねると理解が深まります。

3. 開成山公園

開成山公園は、郡山市役所のすぐそばにある、約30ヘクタールの総合公園です。2006年に日本の歴史公園100選に選ばれました。公園の中の五十鈴湖は、安積開拓のための灌漑用につくられた池で、約1300本の桜とともに、2016年に日本遺産の構成文化財に認定されています。

江戸時代、この一帯は二本松藩の狩場でした。1873年、郡山の商人たちが出資した開成社が、沼や湿地だった開成山を開墾して桑野村を開きます。この動きを受けて、国が安積開拓と疏水づくりに乗り出し、水を蓄える池として五十鈴湖などが掘られました。1878年ごろには、開成社が約4000本の桜を植えたとされ、そのうちのソメイヨシノは、現存する最古の木といわれています。

桜は一時、国の天然記念物にも指定されましたが、公園の整備などにより、のちに指定は解除されました。春には、約1300本の桜が花を咲かせ、福島県内でも有数の花見の名所として賑わいます。映画『時をかける少女』(2010年公開)では、弓道場付近の土手が、桜並木の場面のロケ地になりました。開拓者たちの苦労の跡が、いまは市民の憩いの風景になっていることが、この公園のいちばんの魅力です。

4. 開成山大神宮

開成山大神宮は、伊勢神宮の分霊をまつる神社で、「東北のお伊勢さま」とも呼ばれます。創建は1876年(明治9年)で、安積開拓に入った人々の精神的なよりどころにするため、福島県の役人だった中條政恒が神宮に働きかけて実現したと伝えられます。拝殿の神号は、有栖川宮熾仁親王の書とされています。

この神社は、安積疏水の歴史と深く結びついています。猪苗代湖の水を引く疏水の起業式は1879年12月27日に、通水式は1882年10月1日に、岩倉具視ら要人を招いて、ここで執り行われました。境内には、開成社初代社長の阿部茂兵衛の像や、中條政恒をたたえる碑があり、開拓の立役者たちが今も境内に立っています。

伊勢神宮の五十鈴川の御手洗場を模した場所もあり、せせらぎに太鼓橋がかかる静かな一角です。春の桜まつりの時期は、ぼんぼりが灯り、神楽や開成山太鼓の奉納が行われます。現役の神社ですので、参拝の方々や祭礼への敬意を忘れず、静かに歩いてください。隣の開成山公園とあわせて、開拓の物語をたどる散策に向いています。

5. 東光寺と中地大仏

東光寺は、猪苗代湖の南に位置する湖南町にある真言宗の寺で、「中地大仏」として知られる阿弥陀如来坐像を安置しています。寺の始まりは1053年と伝えられ、会津に攻め込んだ源義家が、神仏の加護への感謝と戦死者の供養のために、山中に堂を建てて像を安置したとされています。

中地大仏は、高さ約3メートル、寄木造りで漆箔を施した像で、木造の阿弥陀如来坐像としては東北最大といわれます。福島県の指定有形文化財です。火災に遭った際、堂から引き出すために肩の部分を削ったため、肩幅が狭いとも伝えられます。再度の火災に備えて、像は木製の車輪の上に据えられているそうです。

境内には、直径約280センチの「大仏のケヤキ」があり、県の天然記念物に指定されています。明るい時間であれば窓から像を拝むことができますが、近くで拝観するには事前の問い合わせが必要とされています。現役の寺院ですので、静かに参拝し、地域の方々の信仰への配慮をお願いします。

6. 麓山公園と安積疏水麓山の飛瀑

麓山公園は、郡山駅から歩いて行ける、松林の広がる小さな公園です。1824年、郡山村が宿場町に昇格したことを記念して造られたのが始まりで、明治の初めに町の有志が今の形に整え、当時は「共楽園」と呼ばれていました。面積は約2.2ヘクタールと小さいものの、2007年に日本の歴史公園100選に選ばれています。

園内には、松尾芭蕉の句碑をはじめ、さまざまな碑や慰霊塔、祠が点在します。そのなかでも見どころは、1882年の安積疏水の完成を記念して造られた「麓山の滝」です。通水式には歌舞伎や舞踏会が催され、前例のない賑わいだったと伝えられます。いったん埋もれていた滝は、1991年に復元され、2002年に「安積疏水麓山の飛瀑」として国の登録有形文化財になりました。2016年には日本遺産の構成文化財にも認定されています。

猪苗代湖から遠く運ばれてきた水が、町の真ん中で滝になって落ちる。その光景は、水に恵まれなかった郡山の人々にとって、どれほど誇らしかったでしょうか。当サイトの見方では、この滝は単なる景色ではなく、町の悲願が叶った日の記念碑です。水音を聞きながら、明治の人々の喜びを想像してみてください。

7. 郡山市立美術館

郡山市立美術館は、市の東部、安原町にある美術館です。ターナーをはじめとするイギリス美術、岸田劉生など日本の近代美術、そして郡山にゆかりのある雪村などの絵画や彫刻を収集しています。企画展や海外展も、年に数回開かれています。

建物の設計は柳澤孝彦と、そのチームの手によるもので、地下1階、地上2階の鉄筋コンクリート造です。建築としても評価が高く、1994年にBCS賞を、1995年度には日本芸術院賞を受け、公共建築百選にも選ばれています。収蔵品だけでなく、建物そのものも見どころの一つです。

雪村の「四季山水図屏風」が展示されていることは、近くの雪村庵とのつながりを感じさせます。庵で過ごした画僧の筆が、郡山の美術館に収まっているという巡り合わせは、地域の文化を大切にしてきた証でもあります。企画展の内容や開館日は変わりますので、お出かけの前に公式の情報で確認してください。

8. 大安場史跡公園

大安場史跡公園は、郡山市田村町大善寺にある、古墳を中心にした公園です。阿武隈川の東岸、安積盆地を見下ろす標高約250メートルの低い丘の上にあり、前方後方墳1基と円墳4基からなります。1号墳は、前方後方墳としては東北地方で最大の規模を持ち、2000年9月6日に国の史跡に指定されました。

古墳が見つかったのは1991年のことで、その後の発掘調査で、全長約83メートル、4世紀の後半ごろの築造と推定されています。墳頂の下からは、長さ約9メートルの大きな木棺が見つかりました。棺の中からは、東北地方で初めて確かに出土した腕輪形の石製品「石釧」のほか、大刀や剣、槍などが出土しています。

会津地方に前方後円墳が多いのに対して、この古墳は前方後方墳です。栃木県の那須地方との関係がうかがえるとされており、遠く離れた土地との結びつきが、墓の形にも表れています。当サイトの見方では、4世紀の中通りの首長は、阿武隈川の水運や街道を通じて、広く交流していたのかもしれません。東日本大震災で入った亀裂は、2013年7月に修復が終わっています。

9. 布引高原

布引高原は、郡山市の西部、猪苗代湖の南側にある、会津布引山(標高1081メートル)を中心とした台地状の高原です。標高は約1080メートルで、冬は深い雪で道路が閉ざされるため、人家はありません。耕作は、猪苗代湖畔の集落から通って行われてきました。

高原には、33基の風車が立ち並んでおり、2007年2月に営業運転が始まりました。風車は1基の高さが約100メートル、羽根の長さが約30メートルあります。この発電所の建設を機に、一帯は「郡山布引風の高原」と名づけられました。展望台やウォーキングコースが整えられていて、磐梯山や猪苗代湖を一望できます。

2011年ごろからは、ひまわりが多く植えられ、8月下旬から9月中旬にかけて、約40万本ともいわれるひまわりが咲く名所として紹介されるようになりました。菜の花やコスモスの名所としても知られます。高原までは公共交通機関がなく、冬は道路が閉鎖されるため、季節と道路の状況を事前に確認してから出かけてください。

名物・食べ物・飲み物

郡山の名物として、市が推しているのは菓子類です。福島県を代表する菓子の老舗がいくつも市内に本店を構えており、饅頭やゆべし、クリームを使った洋菓子まで、甘い物の選択肢が豊富です。ご当地スイーツとして知られる「クリームボックス」も、市内の名物のひとつです。

ラーメンの店が市内に約600軒もあるとされ、個性を競う激戦区として知られます。また、近年は郡山グリーンカレーが新しい名物として売り出されています。日本では数少ない地ウイスキーをつくる酒造会社をはじめ、酒蔵が多いことも特徴で、冬には新酒まつりも開かれます。内容は店ごとに変わるため、お出かけの前に最新の情報をご確認ください。

珍しい生き物・自然

郡山市の自然は、猪苗代湖と安達太良山、阿武隈川に抱かれています。猪苗代湖は日本で4番目に大きい湖で、水面が鏡のように見えることから「天鏡湖」とも呼ばれます。湖の南の湖南町は豪雪地帯で、冬は雪深い地域です。馬入新田の水芭蕉の群生地や、清水川の梅花藻など、水辺の植物も見どころです。

桜では、樹齢約400年といわれる「紅枝垂地蔵ザクラ」が市の天然記念物になっています。笹原川の堤には、約2キロにわたって約1000本の桜並木が続きます。春には開成山、雪村庵、笹原川と、市内の桜が次々に咲き継いでいきます。

そのほか、この町の特筆すべきこと

郡山の発展を語るうえで欠かせないのは、1882年に通水した安積疏水です。猪苗代湖の水を、安積原野へ引くこの水路は、那須疏水、琵琶湖疏水とともに日本三大疏水の一つに数えられます。1879年に着工し、約130キロの水路を、延べ85万人の労力で、わずか3年ほどで完成させました。水は農業だけでなく、水力発電や飲み水にも使われ、日本で初めての高圧送電が郡山市内に届いたとされます。2016年には、疏水の歴史が日本遺産に認定されました。

工業の面では、世界で初めてリチウムイオン電池の商業生産が始まった市としても知られます。また、市内の高柴は、三春駒や三春張子人形の発祥の地とされ、江戸時代から続く郷土民芸の里です。8月の郡山うねめまつりなど、一年を通じてさまざまな祭りが開かれ、音楽や合唱を大切にする「音楽都市」としての顔も持っています。

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夜の顔:この町の怪談と心霊スポット

ここまで、郡山市の昼の顔を歩いてきました。水のない原野に疏水を引いた人々、都を離れた画僧、古墳に眠った古代の首長。どの場所にも、人が祈り、働き、時に大きな犠牲を払ってきた時間が重なっています。

その厚みは、夜の顔にもつながります。郡山市には怪談や噂話の類もありますが、所在が確かでないものや、現役の寺社・住民の暮らしに近い場所も多く、探し歩くことは勧めません。当サイトの見方では、怪談とは土地の歴史が人の心に落とした影のようなものです。開拓の苦労を知るほど、静かな場所への敬意は深まります。

鴉番組では、実話怪談や心霊スポットを、行くためではなく記録するために載せています。昼の景色を知ったうえで、夜の物語も読んでみてください。

お出かけの前に

営業時間・料金・休業日・アクセスは変わりやすいため、この記事には載せていません。お出かけの前に、各施設や自治体の公式サイトで最新の情報をご確認ください。天候や災害の影響で立入が制限されている場所もあります。

よくある質問

Q. 郡山市の観光は、どの順番で回ると効率がよいですか?

A. この記事は北から順に紹介しています。市街地の開成山・麓山エリア、東の美術館や雪村庵、北の安達太良山麓、西の湖南・布引高原と、エリアごとにまとめると回りやすくなります。距離があるため、移動手段と季節の道路状況は、市や公式の観光案内で確認してください。

Q. 郡山市の名物は何ですか?

A. 饅頭やゆべしなどの菓子、市内に約600軒あるとされるラーメン、新名物のグリーンカレー、地ウイスキーや日本酒などがよく知られています。店ごとの内容は変わるため、出かける前に最新の情報を確認してください。

Q. 冬に訪れても大丈夫ですか?

A. 郡山市の西部、湖南町や布引高原は豪雪地帯で、冬は道路が閉鎖されることがあります。山間部へ向かう場合は、天候と道路情報を事前に確認し、無理のない計画を立ててください。

参考にした公式サイト・資料
https://ja.wikipedia.org/wiki/郡山市
https://ja.wikipedia.org/wiki/開成山公園
https://ja.wikipedia.org/wiki/開成山大神宮
https://ja.wikipedia.org/wiki/麓山公園
https://ja.wikipedia.org/wiki/安積疏水
https://ja.wikipedia.org/wiki/郡山市立美術館
https://ja.wikipedia.org/wiki/雪村庵
https://ja.wikipedia.org/wiki/大安場古墳
https://ja.wikipedia.org/wiki/東光寺_(郡山市)
https://ja.wikipedia.org/wiki/銚子ケ滝
https://ja.wikipedia.org/wiki/布引高原

鴉番組

監修者:鈴king.

所属:鴉番組

取材歴:オカルト・ホラー取材7年目(2020年〜)

フォロワー数:YouTube 5,000人超え・X 25,000人超え

現地取材:30件以上

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