秋田市の観光スポット|古代の城柵から竿燈の城下町までを北から歩く
目次
この町の観光スポット(北から順)
番号は記事の紹介順(北から順)と同じです。ピンを押すと名前が出ます。位置はおおよそのものです。
- 太平山 秋田市の東にそびえる標高1170メートルの山。山頂には古くからの信仰の社があり、一日で登れる登山道が整う。
- 秋田城跡 奈良時代に日本海側の北の守りとして置かれた城柵の跡。国の史跡で、古代の水洗トイレ跡も見つかっている。
- 千秋公園(久保田城跡) 佐竹氏が築いた久保田城の本丸・二の丸跡に広がる公園。石垣が少ない土の城で、市民の花見の場になっている。
- 秋田市民俗芸能伝承館(ねぶり流し館) 竿燈など秋田の民俗芸能を伝える施設。眠り流しを起源とする、東北を代表する夏祭りの背景を学べる。
- 秋田県立美術館 千秋公園のそばに2013年に開館した県立の美術館。旧県立美術館から移った平野政吉コレクションを収蔵する。
- 赤れんが郷土館 1912年に旧秋田銀行本店として完成した赤れんがの建物。国の重要文化財で、現在は郷土の歴史を伝える施設。
この町の基本情報(所在地・最終確認日・ご注意)を見る
- 所在地
- 秋田県秋田市
- 最終確認
- 2026.10.05
- ご注意
- 営業時間・料金・休業日は変わりやすいため載せていません。お出かけ前に各施設の公式サイトでご確認ください。
秋田市ってどんな町?
秋田市は、日本海に面した秋田県の県庁所在地で、県内で最も人口の多い市です。1889年(明治22年)4月1日に日本で最初の31市の一つとして市制を施行し、1997年4月には東北で初めて中核市に指定されました。2005年1月には河辺町と雄和町を編入し、海から山まで広がる市域になっています。
この記事では、市内の観光スポットを緯度の大きい順、つまり北から順に紹介します。市の東にそびえる山から始まり、古代の城柵の跡、江戸時代の城下町、明治の洋風建築、そして竿燈の伝承へと南下していく道筋です。港町と城下町が重なり合ったこの町の昼の顔を、あわせて眺めてみてください。
1. 太平山
太平山は、秋田県の中央部にあり、秋田市と上小阿仁村にまたがる太平山地の主峰です。標高は1170メートルで、2014年4月1日の国土地理院の改定値とされています。市街地から東を見ると、ゆるやかな山並みの奥にこの山が望めます。
山頂には、太平山三吉神社の奥宮があり、里宮は秋田市広面にあります。祀られているのは大己貴命、スクナビコナ、三吉霊神で、創建したのは役小角、のちに坂上田村麻呂が再興したという伝承が残っています。江戸時代の中ごろから信仰が一般に広がり、全国に多くの講中が生まれました。現役の信仰の山ですので、登る際は敬意をもって静かに歩きたいところです。
登山道は、一日あれば登頂できるコースが整い、旭又ルート、縦走ルート、野田口ルート、岩見三内口ルートなどがあります。ただし、年間を通じて熊が出没し、急な斜面や滑落の危険もあります。これは推察だが、市街地のすぐ近くに、これだけ深い山と信仰が残っていることが、秋田市の暮らしの奥行きを支えているのでしょう。装備と天候の確認は必ず行ってください。
2. 秋田城跡
秋田城跡は、秋田市の北西部にある古代の城柵の遺跡です。733年(天平5年)に、出羽柵が庄内地方から秋田村の高清水岡へ移されたのが始まりとされ、760年ごろの天平宝字の頃には秋田城という名に改められたと伝えられます。1939年(昭和14年)に国の史跡に指定されました。
鵜ノ木地区では、水洗式の厠舎の跡が見つかっています。掘立柱の建物と便槽、沈殿槽、木製の樋で構成され、個室は3部屋でした。奈良時代の北の城に、水を使うしくみがあったことは意外です。これは推察だが、大陸の技術や暮らしの様式が、こうした北の地にまで届いていたことを示しているのでしょう。
発掘は1958年の県護国神社の造成工事に伴う調査から本格化し、1959年から1962年には国の直轄調査が行われました。1998年には外郭東門と築地塀が約45メートル分復元されています。当サイトの見方では、この城跡の魅力は、天守のような派手さではなく、都から遠い北の海辺で、国の最前線を維持した人々の暮らしの手触りが、土の下から出てくるところにあります。
3. 千秋公園(久保田城跡)
千秋公園は、江戸時代の久保田城の本丸と二の丸の跡を公園にしたものです。久保田城は、佐竹氏が湊城から本拠を移すために築いた城で、1603年5月に工事が始まり、1604年8月28日に本丸が完成したと伝えられます。
久保田城の大きな特徴は、石垣がほとんどないことです。石垣は基底部にわずかにあるだけで、その上に土塁を盛り上げた「鉢巻土手」の形です。理由には、幕府への遠慮という説と、佐竹氏のもとの領地の常陸国では石垣を使わない築城が一般的だったという説があります。1880年の大火で城内の建物はほぼ焼け、跡地は公園として整えられました。
現在は、本丸新兵具隅櫓(御隅櫓)が、望楼風の展望台を加えた3層4階建ての模擬櫓として再建されています。三の丸の側には、あきた芸術劇場ミルハスや、秋田市立中央図書館明徳館なども整備されています。春には桜まつり、つつじの頃にはつつじまつりが開かれ、城下町の記憶と今の暮らしが、同じ緑の中に重なっています。
4. 秋田市民俗芸能伝承館(ねぶり流し館)
秋田市民俗芸能伝承館は、竿燈をはじめとする秋田の民俗芸能を伝える施設で、「ねぶり流し館」の愛称で親しまれています。市の中心部にあり、祭りの時期以外にも、竿燈の世界に触れられます。
秋田竿燈まつりは、毎年8月3日から6日に開かれる夏祭りです。原型は「眠り流し」で、真夏の邪気や眠気を払う行事に由来するとされ、江戸時代の中ごろには現在の形ができあがっていたといいます。外町の職人や商人が、お盆の門前に立てる高灯籠を、持ち歩けるようにしたことが始まりだと伝えられます。
竿燈は、大きさによって区分があり、最も大きい大若は高さ12メートル、重さ50キログラム、提灯が46個です。差し手は、流し、平手、額、肩、腰という基本の技で竿燈を支え、「ドッコイショー ドッコイショ」という掛け声には、豊作の祈りが込められているといいます。これは推察だが、重い竿を額や腰に乗せて揺れを楽しむ競技のような所作は、眠気を払う祈りが、庶民の技の誇りに育った姿なのかもしれません。
5. 秋田県立美術館
秋田県立美術館は、秋田市のエリアなかいちにある県立の美術館で、2013年(平成25年)に開館しました。千秋公園のすぐそばに位置し、城下町の中心から歩いて立ち寄れる場所にあります。
前身は、1967年に開館した旧県立美術館で、平野政吉美術館とも呼ばれた施設です。そこで収蔵されていた平野政吉コレクションは、新しい美術館へ移されました。一人の収集家の志が、のちに県の財産となり、町の中心の美術館に受け継がれたという経緯は、この町の文化の深さを物語ります。
当サイトの見方では、城の跡の公園、古い銀行の建物、そして現代の美術館が、徒歩圏にそろっていることが、秋田市の街歩きの面白さです。展示の内容は時期によって変わるため、出かける前に公式サイトで最新の情報を確認してください。
6. 赤れんが郷土館
赤れんが郷土館は、1912年(明治45年)に旧秋田銀行の本店として完成した「赤れんが館」を活用した施設です。1994年(平成6年)12月27日には国の重要文化財に指定されました。
1985年(昭和60年)7月31日に、秋田市立赤れんが郷土館として通年で公開が始まりました。銀行として使われていた建物が、役目を終えたのちに郷土の歴史を伝える場所になったという経緯は、町の変化をそのまま映しています。
当サイトの見方では、この建物の面白さは、城下町の中心に近い場所で、明治の経済の力を赤れんがの姿で示しているところです。木と土の城跡から歩いてきたあとに、れんがの重みのある建築を見ると、この町が江戸から近代へと移り変わった道筋が、一続きの景色として見えてきます。
名物・食べ物・飲み物
秋田の名物でまず挙がるのは、きりたんぽです。つぶしたご飯を棒に巻いて焼いたもので、秋田県北部の鹿角地域が発祥とされ、その後、大館が「本場」として知られるようになりました。ごぼう、鶏肉、舞茸、ねぎ、たんぽ、せりが基本の具材とされます。
秋田県の県魚はハタハタです。卵は秋田の方言で「ブリコ」と呼ばれ、噛むとぶりぶりと音がすることから名付けられたといいます。塩焼きや干物、塩漬け、味噌漬け、魚醤のしょっつるなどに加工され、冬の貴重な蛋白源でした。漁が減ったため、1992年9月から1995年8月までは全面禁漁が行われています。
ほかにも、いぶりがっこや、湯沢産の稲庭うどんなどが、秋田の食としてよく知られています。店ごとの内容は変わるため、出かける前に最新の情報を確認してください。
珍しい生き物・自然
秋田市は、日本海側気候の町ですが、冬の降水量は東北の日本海側としては少なめです。平年の降雪量は273センチ、最深積雪は37センチで、雪のイメージの強い秋田県のなかでは、意外に穏やかな冬といえます。
気温の記録は、最高が38.5度(8月)、最低がマイナス24.6度(2月)です。夏と冬の差が大きい土地だとわかります。
市の東側には太平山の山地があり、深い自然が広がります。熊が出る山でもあるため、自然のなかを歩くときは、地元の注意情報に従ってください。
そのほか、この町の特筆すべきこと
秋田市は、久保田藩の城下町として発展しました。一方、土崎港は北前船の寄港地として栄え、湊の町としての顔も持っています。1941年には土崎港町などが編入され、城下と港が一つの市になりました。
市内の八橋・寺内地区には、「国内最大の油田」と紹介されることもある八橋油田が広がっています。港町、城下町、そして油田の町という、多様な顔を持つ町です。
祭りも多彩で、8月の竿燈まつりのほか、7月20日・21日には土崎港曳山まつり、8月10日には雄物川花火大会が開かれます。桜まつりやつつじまつりなど、千秋公園の季節の行事も町の彩りです。
夜の顔:この町の怪談と心霊スポット
ここまで、秋田市の昼の顔を歩いてきました。古代の城柵、土の城、竿燈の夏、そして港と山。どの場所にも、人が暮らし、祈り、時に厳しい自然と向き合ってきた時間が重なっています。
その厚みは、夜の顔にもつながります。秋田には、よく語られる怪談や都市伝説もありますが、その所在は特定されておらず、探し歩くことは勧めません。当サイトの見方では、怪談とは土地の歴史や地形が、人の心に落とした影のようなものです。城の跡や古い信仰の山を知るほど、静かな場所への敬意が深まります。
鴉番組では、実話怪談や心霊スポットを、行くためではなく記録するために載せています。昼の景色を知ったうえで、夜の物語も読んでみてください。
お出かけの前に
営業時間・料金・休業日・アクセスは変わりやすいため、この記事には載せていません。お出かけの前に、各施設や自治体の公式サイトで最新の情報をご確認ください。天候や災害の影響で立入が制限されている場所もあります。
よくある質問
Q. 秋田市の観光は、どの順番で回ると効率がよいですか?
A. この記事は北から順に紹介しています。市街地の千秋公園・県立美術館・赤れんが郷土館・伝承館は歩いて回りやすく、秋田城跡は北西、太平山は東と、エリアごとにまとめると回りやすくなります。太平山は距離があり、熊の情報などもあるため、移動手段と最新の情報は、自治体や公式の観光案内で確認してください。
Q. 秋田の名物は何ですか?
A. きりたんぽ、ハタハタ、いぶりがっこなどがよく知られています。店ごとの内容は変わるため、出かける前に最新の情報を確認してください。
Q. 竿燈まつりはいつ開かれますか?
A. 毎年8月3日から6日に開かれます。日程や会場の状況は変わることがあるため、出かける前に、公式の最新の案内を確認してください。
参考にした公式サイト・資料
https://ja.wikipedia.org/wiki/秋田市
https://ja.wikipedia.org/wiki/秋田城
https://ja.wikipedia.org/wiki/久保田城
https://ja.wikipedia.org/wiki/秋田県立美術館
https://ja.wikipedia.org/wiki/秋田市立赤れんが郷土館
https://ja.wikipedia.org/wiki/太平山_(秋田県)
https://ja.wikipedia.org/wiki/竿燈
https://ja.wikipedia.org/wiki/きりたんぽ
https://ja.wikipedia.org/wiki/ハタハタ
この周辺の心霊スポット
昼の顔とは別に、この土地には夜の顔もあります。興味があれば、記録として読んでみてください。立入に注意が必要な場所も含まれます。
