名寄市の観光スポット|雪と星と餅米の町、厳寒の盆地を北から歩く
目次
この町の観光スポット(北から順)
番号は記事の紹介順(北から順)と同じです。ピンを押すと名前が出ます。位置はおおよそのものです。
- ピヤシリ山 名寄市と下川町、雄武町の境にある標高986.8メートルの山。山頂近くに日本最北の高層湿原がある。
- 名寄ピヤシリスキー場とシャンツェ ピヤシリ山の西麓にある市営のスキー場。雪質と厳寒で知られ、冬にはジャンプの国内大会も開かれる。
- なよろ市立天文台とサンピラーパーク 口径1.6メートルの大きな望遠鏡を持つ公開天文台。冬の自然現象サンピラーの名を冠した公園にある。
- 名寄市北国博物館 雪と寒さの暮らしを伝える博物館。国内で唯一のキマロキ編成の排雪列車が屋外に保存されている。
- ふうれん望湖台自然公園 白樺林に囲まれた、湖を見下ろす静かな公園。旧風連町の山あいにあり、静けさが魅力。
この町の基本情報(所在地・最終確認日・ご注意)を見る
- 所在地
- 北海道名寄市
- 最終確認
- 2026.10.06
- ご注意
- 営業時間・料金・休業日は変わりやすいため載せていません。お出かけ前に各施設の公式サイトでご確認ください。
名寄市ってどんな町?
名寄市は、北海道北部の名寄盆地にある、上川北部の中心都市です。市街地は、天塩川と、その支流の名寄川が合流する少し上流の、二つの川に挟まれた土地に形づくられました。農産物の集散地として発展し、いまは餅米の有数の産地としても知られます。
地名は、アイヌ語で名寄川と天塩川が出合う場所を指した言葉に由来するとされます。冬の寒さは厳しく、市は特別豪雪地帯に指定されています。2006年には隣の風連町と合併して、いまの広い市域になりました。この記事では、観光スポットを緯度の大きい順、つまり北から順に紹介します。
1. ピヤシリ山
ピヤシリ山は、名寄市、下川町、雄武町の境にある、標高986.8メートルの山です。北見山地に属し、山の形はなだらかで、南西から整備された林道と登山道が伸びていて、登頂は容易とされています。名前の由来はアイヌ語の「石の山」を意味する言葉ではないかという説があります。位置は山頂の点です。
山頂近くにはピヤシリ湿原があり、約4キロメートル北の松山湿原とあわせて、日本最北の高層湿原とされています。高層湿原は、冷涼な気候のもとで水ゴケなどが積み重なって生まれる、雨水で育つ湿原で、貴重な植物の群落を見ることができます。
湿原の植物は踏み荒らされると回復に長い時間がかかります。登る場合は、登山道や木道を外れず、自然を傷めないよう気をつけてください。天候が変わりやすいため、十分な装備と計画が必要です。
2. 名寄ピヤシリスキー場とシャンツェ
名寄ピヤシリスキー場は、ピヤシリ山の西の麓にある九度山の南斜面にあります。市が施設を所有し、振興公社が運営する公設民営のスキー場で、北海道でも有数の厳寒地にあって雪質のよいことで知られ、「雪質日本一」を掲げています。隣にはヒルサイズ100メートルのピヤシリシャンツェもあります。
このジャンプ台では、毎年12月に、国内大会の開幕戦にあたる名寄ピヤシリジャンプ大会が開かれます。スキー場の開発は昭和40年代に始まり、1970年には陸上自衛隊の施設隊の支援を受けて、林道の整備が進められた記録があります。山の観光開発の歩みが、そのまま町の冬の顔になっています。
冬の山は気温が低く、天候も急変するため、防寒と安全には十分ご注意ください。営業の時期や状況は、公式の案内で確認してから出かけてください。
3. なよろ市立天文台とサンピラーパーク
なよろ市立天文台は、道立サンピラーパークの星見の丘にある公開天文台です。愛称は「きたすばる」。前身は高校の先生だった木原秀雄が開いた私設の天文台で、1992年に名寄市へ贈られました。2005年からは北海道大学と市が研究の協定を結び、2010年に現在の名で開台しました。
ここには、北海道大学が設置した口径1.6メートルのピリカ望遠鏡があります。公開されている天文台の望遠鏡としては、国内で2番目の大きさとされ、惑星の観測を主な目的としています。研究に使われない時間には、見学や観望ができます。公園の名前にある「サンピラー」は、氷の結晶が太陽の光を反射して、太陽から縦に光の柱が伸びて見える現象で、厳しい冬の寒さのなかで見られます。
この公園には、観光用のひまわり畑も移されています。名寄のひまわりは、1987年に智恵文地区の農家の協力で始まり、のちに搾油も行われるようになりました。夜の星、冬の光の柱、夏の花が、同じ土地に揃っています。見学の日時は公式の案内で確認してください。
4. 名寄市北国博物館
名寄市北国博物館は、1996年に開館した市の博物館です。常設展示では、名寄がなぜ多雪で寒冷なのか、氷河期後の自然と人の暮らし、冬の森から見たアイヌの自然と文化、雪や寒さと向き合ってきた住まいと生活の歴史などが紹介されています。国の天然記念物である鈴石と高師小僧も展示され、名寄岩という名力士の郷土コーナーもあります。
屋外には、SL排雪列車の「キマロキ編成」が保存されています。機関車、マックレー車、ロータリー車、機関車の順に連結した、国内で唯一の編成です。1971年に名寄市が国鉄へ蒸気機関車の貸与を陳情し、編成のまま保存を求める形に広がり、1976年に名寄公園に展示保存されました。
雪を線路から取り除く列車を残すという発想は、豪雪の町ならではです。冬を克服するために積み重ねられた、鉄道員たちの工夫がここにあります。入館の日時は事前に確認してから訪ねてください。
5. ふうれん望湖台自然公園
ふうれん望湖台自然公園は、旧風連町にあたる山あいの公園です。眼下には、風連ダムでせき止められた貯水池の忠烈布湖が広がり、白樺の林に囲まれた湖畔の景色を楽しめます。林間の空き地やコテージなどの設備が整えられ、静けさがいちばんの魅力といわれます。位置は公園の代表的な地点です。
風連という地名は、アイヌ語で「赤い川」を意味する言葉に由来するとされています。風連町は、2006年に名寄市と合併して、現在の名寄市の一部になりました。人の手でつくられた湖が、いまは静かな風景になっていることが、この公園の背景です。
湖畔は、天気のよい日には木々のざわめきが心地よく、人の少ない時間帯は特に静かです。利用の期間や設備の状況は、公式の案内で確認してください。野生動物に出会うこともあるため、行動には注意してください。
名物・食べ物・飲み物
名寄の食を語るなら、まず餅米です。名寄周辺は日本の餅米の大規模な産地として最北にあたり、生産量が日本一になったこともあります。全国の和菓子やお餅の原料にも、名寄産が広く使われています。
ほかに、アスパラガスやカボチャの生産も盛んです。ひまわりは、観賞用のほかに、搾油にも生かされるようになり、ひまわり油が商品になっています。
店名は変わりやすいため、この記事では載せていません。出かける前に、観光案内などで最新の情報をご確認ください。
珍しい生き物・自然
名寄盆地は、天塩川と名寄川が合流する平野で、周囲を山々に囲まれています。ピヤシリ山を中心に、東内大部山や奴可難山などが連なり、市内の山あいには、比翼の滝などの滝もあります。見晴山の山頂は巨岩で、ロッククライミングの場としても知られます。
ピヤシリ山の湿原は日本最北の高層湿原で、貴重な植物の群落が見られます。冬には、細氷(ダイヤモンドダスト)やサンピラーなど、厳しい冷え込みのなかで現れる自然現象も観察されます。
年平均の気温は約5.8度で、降雪量は年に約829センチメートルにのぼります。2014年2月にはマイナス29.9度を記録しました。こうした寒さが、雪質のよさと、星空のきれいさを支えています。
そのほか、この町の特筆すべきこと
名寄の周辺は、縄文時代から人が住んでいた地域と考えられ、アイヌの人々が暮らし、小さな精霊コロポックルの伝承も残っています。江戸時代の終わりには、松浦武四郎がこの地をたずね、天塩川の流域のようすを記録しました。
1900年には、山形県の旧東栄村から開拓団が集団で移住しました。1903年には旭川からの鉄道が開通し、のちの宗谷本線となります。1915年に名寄町となり、1956年に市制を施行しました。
厳しい寒さを生かして、タイヤの試験コースが置かれるなど、冬の気候そのものが産業になっているのも名寄らしい点です。市内にはカーリングのホールもあり、冬のスポーツが根づいています。
夜の顔:この町の怪談と心霊スポット
ここまで、名寄の昼の顔を歩いてきました。雪を克服した鉄道の記憶、星を見る望遠鏡、日本最北の湿原。どの場所にも、人が暮らし、厳しい冬と向き合ってきた時間が重なっています。
その厚みは、夜の顔にもつながります。名寄の怪談や噂は、特定の場所と結びつけて語られることもありますが、探し歩くことは勧めません。冬の夜は氷点下30度近くまで下がることもあり、危険です。当サイトの見方では、怪談とは土地の歴史が人の心に落とした影のようなものです。
鴉番組では、実話怪談や心霊スポットを、行くためではなく記録するために載せています。昼の景色を知ったうえで、夜の物語も読んでみてください。
お出かけの前に
営業時間・料金・休業日・アクセスは変わりやすいため、この記事には載せていません。お出かけの前に、各施設や自治体の公式サイトで最新の情報をご確認ください。天候や災害の影響で立入が制限されている場所もあります。
よくある質問
Q. 名寄市は、なぜ「雪質日本一」といわれるのですか?
A. 名寄市は北海道でも有数の厳寒地で、スキー場は寒さのおかげで雪質がよいとされ、「雪質日本一」を掲げています。ただし、これは市の掲げる呼び名ですので、実際の状況は公式の案内で確認してください。
Q. キマロキ編成とは何ですか?
A. 蒸気機関車、マックレー車、ロータリー車、蒸気機関車の順につないだ排雪列車の編成名です。名寄市北国博物館の屋外で、国内で唯一の編成として保存されています。
Q. 名寄市の観光は、どの順番で回ると効率がよいですか?
A. この記事は北から順に紹介しています。ピヤシリ山・スキー場の山側、天文台・博物館の市街地周辺、望湖台の風連方面の三つにまとめると回りやすくなります。距離があるため、移動手段や季節の道路状況は、公式の案内で確認してください。
参考にした公式サイト・資料
https://ja.wikipedia.org/wiki/名寄市
https://ja.wikipedia.org/wiki/ピヤシリ山
https://ja.wikipedia.org/wiki/名寄ピヤシリスキー場
https://ja.wikipedia.org/wiki/なよろ市立天文台
https://ja.wikipedia.org/wiki/なよろひまわり畑
https://ja.wikipedia.org/wiki/名寄市北国博物館
https://ja.wikipedia.org/wiki/風連町