礼文町の観光スポット|花の浮島・礼文島を北の岬から南の奇岩へ歩く
目次
この町の観光スポット(北から順)
番号は記事の紹介順(北から順)と同じです。ピンを押すと名前が出ます。位置はおおよそのものです。
- スコトン岬 礼文島の北の端にある岬。晴れた日には海の向こうに樺太が望め、「最北限」を名乗る施設が点在する。
- 久種湖 日本が実効支配する地域で最北の湖。ミズバショウの群生地で、湖畔に遊歩道とキャンプ場がある。
- 澄海岬 透きとおる海の色が名の由来とされる岬。西海岸トレッキングコース上にあり、PVの撮影地にもなった。
- 礼文岳 標高490メートル、礼文島でいちばん高い山。晴れた日には樺太から利尻富士まで見渡せる。
- 桃岩展望台 約1300万年前のマグマが固まってできたとされる桃岩を望む展望台。花の咲く斜面が広がる。
- 猫岩 海に突き出た、猫が座るような形の奇岩。桃岩や地蔵岩と並ぶ、島の南西部を代表する景勝地のひとつ。
この町の基本情報(所在地・最終確認日・ご注意)を見る
- 所在地
- 北海道礼文郡礼文町
- 最終確認
- 2026.10.06
- ご注意
- 営業時間・料金・休業日は変わりやすいため載せていません。お出かけ前に各施設の公式サイトでご確認ください。
礼文町ってどんな町?
礼文町は、稚内の西約60キロの日本海に浮かぶ礼文島の全域を占める町です。北方領土を除くと、日本最北端の有人島で、町としても最北にあたります。島は南北に約25キロ、周囲は約72キロで、海に落ちる西側の断崖は、車やバイクで一周できません。
冷涼な気候のため、海抜ゼロメートルの海辺から三百種を超える高山植物が咲き、「花の浮島」と呼ばれます。この記事では、島内の見どころを緯度の大きい順、つまり北から順にご紹介します。最北の岬から始まり、湖、岬、山、そして南西の奇岩へと下っていきます。
1. スコトン岬
スコトン岬は、礼文島の北の端に突き出す岬です。名前は、アイヌ語の「シコトン(大きな谷)・トマリ(入江)」、つまり「大きな谷にある入江」の意味に由来します。晴れた日には、海の向こうに樺太(サハリン)が見えることもあります。
かつては宗谷岬とともに「最北」を名乗っていましたが、測量の結果、宗谷岬の方が約6.5キロ北にあるとわかり、スコトン岬は「最北限」を名乗るようになりました。岬には「最北限のトイレ」「最北限のバス停」などがあり、ちょっとした名所です。沖にはトド島(海驢島)が見えます。
ここは、島の西側の海岸線を歩く長距離のトレッキングコースの起点としても知られ、歩く人の姿をよく見かけます。風が強く天候が変わりやすい場所ですので、防寒の準備と天候の確認をしてください。港から路線バスで約1時間かかるので、帰りのバスの時間も確認しておくと安心です。
2. 久種湖
久種湖は、礼文島の北部、船泊湾に発達した砂丘の内側にある淡水湖です。「湖」と名のつく湖としては、日本の施政権が及ぶ範囲で最北にあたります。名前はアイヌ語で「山越えする沼」の意味とされ、利尻礼文サロベツ国立公園に含まれます。
ミズバショウの群生地として名高く、春には白い花が湖畔を彩ります。湖には、明治の中ごろ、船泊の小学校の生徒が放したコイをはじめ、アメマスやワカサギなどが暮らしています。冬には結氷し、ハクチョウやカモ類が訪れます。5月には、流れ込む川をワカサギがさかのぼってきます。
湖畔にはキャンプ場や展望台があり、湖を一周する遊歩道が整備されています。湖の西には、アイヌ時代のチャシの跡も見られるといいます。かつて湖のそばには日本最北端の牧場があり、テレビドラマ『熱中時代(先生編)』の舞台になったことでも知られます。
3. 澄海岬
澄海岬は、礼文島の北西部にある岬で、「スカイ岬」と読みます。名前のとおり、澄んだ海の青緑色が美しいことで知られ、西海岸を歩くトレッキングコースの人気スポットのひとつです。島の西側は断崖が続くため、ここに立つ景色は、島の厳しさと美しさを同時に感じさせてくれます。
歌手の中島みゆきさんの楽曲『銀の龍の背に乗って』のプロモーションビデオに登場したことでも知られ、ドラマ『Dr.コトー診療所』のエンディング曲としても親しまれました。ビデオの撮影地として、この岬の景色が映し出されています。
岬への道は海に近い崖沿いで、天候が荒れると危険です。ガイドや自治体が出す情報に従い、十分な安全対策をして訪れてください。強風や霧の日は、無理をしないことが大切です。
4. 礼文岳
礼文岳は、標高490メートルの礼文島の最高峰です。「花の百名山」にも選ばれ、片道約4.5キロの登山道は、森林地帯からササ原、ハイマツ帯、がれ場へと景色が移り変わります。往路にかかる時間はおよそ2時間、復路は約1時間半とされています。350メートルあたりで森林限界に達します。
晴れた日の山頂からは、北にスコトン岬の先に樺太とモネロン島、南には礼文水道を隔てて利尻富士、天売島、焼尻島が見えるといいます。かつて山頂付近にはキバナシャクナゲやウルップソウが群生していましたが、1960年代ごろまでに盗掘で絶えたと伝えられています。
標高は低くても、天気が急変しやすい山です。ルート上にトイレや水場、売店はなく、準備は麓の内路集落で整えるのが望ましいとされます。登山道では花を摘んだり持ち帰ったりせず、決まりを守って歩いてください。
5. 桃岩展望台
桃岩展望台は、礼文島の南西部、香深に近い高台にある展望台で、桃のような形をした巨大な岩「桃岩」を望みます。桃岩は、約1300万年前に海の底でマグマが固まってできたものとされています。島の地層が海の底でできたことを物語る岩でもあります。
桃岩一帯の高山植物の群落は国の天然記念物に指定されています。島の南西部には、桃岩のほか地蔵岩や猫岩といった奇岩が並び、観光バスのルートに組み込まれることも多い景勝地です。周辺は、花の季節には高山植物が斜面を彩ります。
1456年には、桃岩のあたりでアイヌ同士の戦いがあったと伝えられています。島の歴史が刻まれた場所でもあり、花の景色の奥に、古い時間の重なりがあります。遊歩道は崖に近いところもあるため、道から外れないでください。
6. 猫岩
猫岩は、礼文島の南西部の海岸にある、猫が座っているような形の奇岩です。桃岩や地蔵岩とともに、島の南西部の景勝地として知られています。波に削られた岩が、風景のなかで動物のような形に見えるのが面白いところです。
地蔵岩の周辺からは、1億1000万年以上前のアンモナイトの化石が見つかっていると伝えられます。礼文島の地層には、白亜紀の海底で積もった砂岩や泥岩が含まれています。目の前の奇岩は、遥かな昔の海の記憶を伝えているのかもしれません。
岩の周りは波が高くなることがあるので、海に近づきすぎないでください。観光バスのルートの一つで、島を巡るときの拠点のひとつにもなります。見学の際は、天候と波の状況に気をつけてください。
名物・食べ物・飲み物
礼文島は、ウニ丼の発祥地として知られています。夏のエゾバフンウニをはじめ、昆布やホッケなど、四季を通じて海の幸に恵まれた島です。漁業と観光が町の基幹産業です。
冷涼な海で育った昆布やウニは、島の誇りです。提供の有無や時期は変わりやすく、ウニの漁期にも制限がありますので、お出かけの前に最新の情報を確認してください。
珍しい生き物・自然
礼文島は、約300種の高山植物が咲く「花の浮島」です。レブンアツモリソウ、レブンウスユキソウ、レブンソウ、レブンコザクラなど、礼文島の名を冠した花が数多くあります。花の種類は2~3週間ごとに移り変わります。
レブンアツモリソウは、かつては島の全域で見られましたが、盗掘で数が大きく減り、現在は保護区の群生地以外ではほとんど見られません。花を摘んだり持ち帰ったりせず、決まりを守って鑑賞してください。
島の西側は霧や強風が多く、そうした気候が気温を下げるため、その環境に適応した花だけが育つとされます。野生のアザラシが北部の船泊湾に生息し、一年中観察できることがあります。
そのほか、この町の特筆すべきこと
島の歴史は、オホーツク文化の遺跡が香深井や船泊で見つかっていることから、古代にさかのぼります。船泊遺跡の出土品は、国の重要文化財に指定されています。江戸時代には松前藩の場所の一部となり、1846年に青森から柳谷万之助が移り住んで漁場を開きました。
1948年5月9日には、金環日食の中心線が礼文島を通り、戦後まもない時期にもかかわらず、多くの天文学者が島を訪れました。1秒だけ皆既日食が観測されたという記録があります。島内には、この観測を記念する碑が立っています。
1959年に町制を施行しました。6月の花まつり、7月の厳島神社祭、8月の湖畔まつりや海峡まつりなど、季節ごとの行事があります。映画『北のカナリアたち』や、さまざまなドラマの舞台にもなってきました。
夜の顔:この町の怪談と心霊スポット
ここまで、礼文町の昼の顔を北から順にたどってきました。最北限の岬、花の咲く山、奇岩の海岸。どの場所にも、荒い海と霧のなかで暮らした人々の時間が重なっています。
夜の顔として、怪談や心霊スポットとして特定できる話は確認できていません。当サイトの見方では、霧に包まれた西海岸の断崖には、どこか物語の入口のような気配があります。ただし、断崖や岬は夜は特に危険です。夜に探し歩くことは決してしないでください。
鴉番組では、実話怪談や心霊スポットを、行くためではなく記録するために載せています。昼の景色を知ったうえで、夜の物語も読んでみてください。
お出かけの前に
営業時間・料金・休業日・アクセスは変わりやすいため、この記事には載せていません。お出かけの前に、各施設や自治体の公式サイトで最新の情報をご確認ください。天候や災害の影響で立入が制限されている場所もあります。
よくある質問
Q. 礼文島へはどうやって行きますか?
A. 稚内港から香深港へフェリーで渡ります。天候で欠航することがあるので、運航状況を事前に確認してください。
Q. 花の見頃はいつですか?
A. 6月ごろから夏にかけて、2〜3週間ごとに咲く花が変わります。年によって前後するため、最新の情報を確認してください。
Q. スコトン岬は日本の最北端ですか?
A. いいえ。測量の結果、宗谷岬のほうが北にあります。スコトン岬は「最北限」と呼ばれています。
参考にした公式サイト・資料
https://ja.wikipedia.org/wiki/礼文町
https://ja.wikipedia.org/wiki/礼文島
https://ja.wikipedia.org/wiki/スコトン岬
https://ja.wikipedia.org/wiki/久種湖
https://ja.wikipedia.org/wiki/礼文岳