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カラスの鳴き声占いとは何か ― 人はなぜ、鴉の一声に吉凶と祈りを聞いてきたのか

鴉番組

監修者:Ms.M

所属:鴉番組

研究した占術:西洋占星術・四柱推命・九星気学・タロット・ルーン・手相人相・姓名判断・数秘術・風水・インド占星術/紫微斗数・陰陽道・霊視霊感など12種以上

個別鑑定:お問い合わせより予約制
(現在数年先まで予約でいっぱいです)

カラスの鳴き声占いとは何か ― 人はなぜ、鴉の一声に吉凶と祈りを聞いてきたのか
目次

夕暮れの帰り道、電線の上のカラスが、いつもより長く、しつこく鳴いている。明け方、まだ暗いうちから、窓の外で「カア」と一声だけ響く。そんなとき、ふと胸の奥がざわつくことはないでしょうか。「カラスの鳴き方が悪いと、近くで誰かが亡くなる」。子どものころに祖父母からそう聞かされて、いまでも少し気になる、という方は少なくないはずです。

当サイトの無料占い「カラスの鳴き声占い」は、聞こえたカラスの声について、鳴いた回数・時刻・方角・鳴き方を選ぶと、それぞれの読みと全体の傾向、そして鴉からの一言を表示するツールです。鴉番組のマスコットはカラスです。だからこそ、この鳥の声に人が何を聞いてきたのかを、一度きちんと掘り下げてみたいと考えました。

先に、大切なことを2つお伝えします。ひとつは、回数・時刻・方角ごとに吉凶を決めた「日本の決まった占いの体系」は、調べた範囲では見つからなかった、ということ。このツールの読みは、各地の言い伝えや、インドからチベットへ伝わった古い烏占(からすうら)を参考に、当サイトが独自に組み立てた創作です。もうひとつは、カラスの声が人の生死や事故を予言することはない、ということです。結果は、身近な人や自分を気づかうための「きっかけ」として読んでください。

専門的な言葉が出てきたら、その都度「やさしく言うと」という引用ボックスで言い換えています。難しいと感じたら、そのボックスだけ拾い読みしても大丈夫です。後半には、歴史の要約では終わらない、当サイト独自の考察も添えました。カラスの声に不安や祈りを重ねてきた人たちの気持ちに、少しだけ近づいてみたいと思います。

この記事のポイント(3分でわかる要約)

  • 「カラスの鳴き声占い」は、聞こえたカラスの声の回数(1〜7回・たくさん)、時刻(十二時辰)、方角(8方位)、鳴き方(6種類)を選ぶと、それぞれの読みと全体の傾向、鴉からの一言が出る当サイトの無料占いです。わからない項目は選ばなくても占えます。
  • 国語辞典には「烏鳴き」という言葉があり、その鳴き声で吉凶を占えるという俗説、とくに凶事の前ぶれとする俗信があると説明されています。17世紀末の浮世草子にも用例が見られます。
  • 一方でカラスは、神武天皇を導いた八咫烏(やたがらす)や、熊野三山の神の使いとして敬われてきた鳥でもあります。熊野の牛王宝印(ごおうほういん)には、烏の姿を組み合わせた文字が刷られています。
  • インドの烏鳴き占いの書はチベットに伝わり、敦煌で見つかった古いチベット語の文書には、鳴いた方角と時間帯ごとに「客が来る」「大風が起こる」などの読みが並んでいます。1914年に東洋学者ラウファーが研究を発表しました。
  • ただし、日本で回数・十二時辰・八方位ごとに吉凶を定めた決まった体系は確認できませんでした。当サイトの読みは、これらの伝承を参考にした独自の創作です。「人が死ぬ」とされた言い伝えは、「身内に気を配る日」などに言い換えています。
  • 実際のカラスの鳴き声は、種類の違い(澄んだ声のハシブトガラス、濁った声のハシボソガラス)や、仲間との連絡、繁殖期の警戒などで変わります。結果は娯楽として楽しみ、巣に近づくなどの危ないことはしないでください。

カラスの鳴き声占いとは ― 一声を「読む」文化

カラスの鳴き声占いは、たまたま耳にしたカラスの声を、何かの知らせとして受け取り、その意味を読み解こうとする占いです。鳥の鳴き声や飛び方から吉凶を読む占いは「鳥占(とりうら)」と総称され、世界の各地に見られます。古代ローマの歴史家タキトゥスは、ゲルマンの人々が鳥の声や飛び方に問いかけることを知っていた、と書き残しています。

なかでもカラスは、特別な鳥でした。人里のすぐそばで暮らし、よく通る声で鳴き、群れで騒ぎ、ときに人の顔を覚えているかのようにふるまう。しかも、全身が黒い。夜の色をまとったこの鳥は、人の世界と、目に見えない世界のあいだを行き来する存在だと考えられやすかったのでしょう。日本でも、カラスは神の使いとして敬われる一方で、その鳴き声は不吉の前ぶれとしても恐れられてきました。

鳴き声占いがほかの占いと少し違うのは、占う材料を「自分で選べない」ことです。生年月日や名前は最初から決まっていますし、タロットは自分でカードを引きます。けれどもカラスの声は、向こうから勝手にやってきます。聞こうと思って聞いたのではない声だからこそ、「いま、私に何かを告げようとしたのではないか」という特別な重みが宿るのだと思います。

やさしく言うと、カラスの鳴き声占いは「偶然聞こえたカラスの声を、自分あての小さな手紙のように読んでみる占い」です。何回鳴いたか、いつ、どこから、どんな声だったか。その手がかりから、今日の過ごし方を考えてみる、という遊び方に近いものです。

烏と日本人① ― 神の使いとしてのカラス

八咫烏 ― 神武天皇を熊野から導いた鳥

日本のカラスを語るとき、最初に名前が挙がるのが八咫烏(やたがらす)です。『古事記』や『日本書紀』には、初代の天皇とされる神武天皇が、熊野から大和(いまの奈良県)へ向かう険しい山道で迷ったとき、天から遣わされた八咫烏が道案内をした、という話が記されています。遣わした神は、『古事記』では高木大神(たかぎのおおかみ)、『日本書紀』では天照大神とされ、書物によって違いがあります。

八咫烏といえば「三本足のカラス」の姿が有名ですが、じつは『古事記』『日本書紀』には、三本足だという記述はないとされます。三本足と結びつけた古い文献は平安時代中期の辞書『倭名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)』とされ、太陽に三本足の烏が棲むという中国の「三足烏(さんそくう)」の考え方と重ねられたのではないか、と言われています。熊野本宮大社では、三本の足を天・地・人になぞらえて説明しているそうです。

熊野那智大社の境内には、神武天皇を導いたあと八咫烏が戻って姿を変えたと伝わる「烏石(からすいし)」があり、八咫烏を祀る御縣彦社(みあがたひこしゃ)もあるとされます。1931年には、日本サッカー協会の前身が三本足の烏をシンボルに採用しており、八咫烏はいまも「導きの鳥」として親しまれています。

熊野の烏と牛王宝印 ― 約束を見届ける鳥

熊野三山(熊野本宮大社・熊野速玉大社・熊野那智大社)では、カラスは神の使いとされてきました。熊野の神社が授けるお札「熊野牛王宝印(くまのごおうほういん)」には、何十羽もの烏の姿を組み合わせて文字を描いた、独特の「烏文字(からすもじ)」が刷られています。羽の数や図柄は、三社でそれぞれ異なるそうです。和歌山県の案内によれば、熊野では毎年正月に、このお札を作る神事が行われています。

このお札は、中世には「起請文(きしょうもん)」、つまり神仏に誓いを立てる誓約書の用紙としても使われました。お札の裏に誓いの言葉を書き、署名し、ときには血判を押します。1185年、源義経が兄・頼朝に二心のないことを示すため、牛王宝印の裏に起請文を書いたという話も伝わっています。そして、この誓いを破ると、熊野の烏が死に(一羽とも三羽とも言われます)、誓いを破った本人にも罰が下る、と信じられていました。

ここでのカラスは、不吉の鳥ではありません。人の約束を神に代わって見届け、嘘をつけば命をもって知らせる、厳粛な証人です。熊野三山は、いまも多くの人が祈りを捧げる信仰の場であり、牛王宝印も現役のお札です。その重みを、面白半分に扱わないよう気をつけたいところです。

烏勧請 ― カラスに神の意思をうかがう

カラスを「呼んで」占う風習もありました。「烏勧請(からすかんじょう)」と呼ばれるもので、正月の農作業の始まりに、餅や団子などの供え物をカラスに与え、食べるかどうか、どれを先についばむかで、その年の豊作・不作や、早稲・中稲・晩稲のどれを植えるかを決めた、と説明されます。熱田神宮や厳島神社などにも、カラスに神饌(しんせん/神さまへのお供え)を捧げる神事が伝わるとされます。

これは、鳴き声ではなく「食べるかどうか」を見る占いですが、カラスを通して神の意思をうかがう、という考え方は同じです。カラスは、人の暮らしのすぐそばで、神さまの返事を運んでくれる鳥でもありました。

やさしく言うと、日本のカラスは「神さまの道案内」「約束の見張り役」「神さまの返事を運ぶ鳥」でした。黒くて少し怖い鳥というイメージの裏に、長いあいだ敬われてきた歴史があるのです。

烏と日本人② ― 「カラス鳴きが悪い」という不安

辞書と浮世草子に残る「烏鳴き」

その一方で、カラスの声は、古くから凶事の前ぶれとして恐れられてもきました。国語辞典には「烏鳴き(からすなき)」という言葉が載っており、カラスがやかましく鳴くこと、そしてその鳴き声から吉凶を占えるという俗説があり、とくに悪いことが起きる前兆とする俗信がある、と説明されています。

用例として挙げられているのは、1694年の浮世草子(江戸時代の娯楽小説)『好色万金丹(こうしょくまんきんたん)』です。烏鳴きの悪いのを聞いたら、隣の年寄りの身を案じてやるがよい、といった意味の一節があり、300年以上前にはすでに、カラスの鳴き方と身近な人の死が結びつけて語られていたことが分かります。

大人の胸騒ぎと、子どもの親しみ

この俗信は、近代になっても各地で語り継がれました。鳥取県立博物館の資料では、鳥取市鹿野町で採集された言い伝えとして、「カラス鳴きが悪いと、近く死人が出る」「カラスがカーァと長く鳴くと近く死人が出る」といった大人たちの言葉が紹介されています。いつもと違う声で長く鳴く、あるいは群れで騒ぐと、近所で弔いが出る。そうした話を聞いたことのある方も多いでしょう。

興味深いのは、同じ資料が、子どもたちにとってのカラスは親しみの対象だった、と対比していることです。夕焼け空をねぐらへ急ぐカラスの姿は、子どもたちのわらべ歌の世界では、どこか懐かしく、ロマンを感じさせるものでした。1921年に雑誌『金の船』に発表された野口雨情の童謡「七つの子」は、カラスがなぜ鳴くのかと問い、山にいる可愛い子のためだと答えます。童謡「夕焼小焼」でも、カラスは子どもたちと一緒に家へ帰る仲間として歌われています。

同じ鳴き声が、大人には死の気配として、子どもには家路の合図として聞こえていた。この「二重の聞こえ方」は、後半の考察で改めて取り上げます。

なぜカラスは「死」と結びついたのか

カラスが死と結びつけられた理由には、いくつかの説があります。ひとつは、カラスが古くから「霊魂を運ぶ鳥」と考えられてきたこと。柿の実を収穫するとき、最後の一つか二つを木に残す「木守り(きまもり)」の風習にも、柿の木に宿る霊をカラスが連れて帰るので、カラスのために実を残すのだ、という言い伝えがあるとされます。

もうひとつは、カラスが死んだ動物などを食べる、いわゆる「掃除屋」の性質を持つことです。死の匂いにいち早く集まる鳥だと見られ、「カラスが騒ぐのは、死の気配を感じているからだ」と考えられたのでしょう。これは日本だけの発想ではなく、あとで見るように、北欧の詩でも、カラスは戦場の鳥として描かれています。

やさしく言うと、「カラス鳴きが悪い」は、「カラスがいつもと違う不気味な鳴き方をすると、近くで悪いこと(とくに人の死)が起こる」という昔からの言い伝えです。ただし、実際にカラスの声が人の死を予言するという根拠は、ありません。

世界の烏 ― 知恵の使いと、不吉の鳥

北欧神話のフギンとムニン ― 「思考」と「記憶」

北欧神話の主神オーディンは、フギンとムニンという2羽のワタリガラスを従えているとされます。フギンは「思考」、ムニンは「記憶」や「心」を意味する言葉に由来すると言われます。古い詩『グリームニルの歌』では、2羽は毎日世界中を飛びまわり、見聞きしたことをオーディンに伝えます。そしてオーディンは、2羽が無事に帰ってくるかを案じ、とりわけムニンのことを心配している、と語られます。

一方で、北欧の詩人たちは、戦士を「カラスに餌を与える者」、血を「フギンの飲み物」と言い換えるような表現も使いました。カラスは知恵の使いであると同時に、戦場で死者に群がる鳥でもあったのです。ラウファーの論文の注にも、ゲルマンの占いでは、カラスが屋根の上で三度鳴くと戦士の死の前ぶれとされた、という例が引かれています。

ギリシャ神話 ― 黒くなったアポロンの烏

ギリシャ神話には、カラスが黒くなった理由を語る話があります。太陽神アポロンに仕えていたカラスは、もとは白く美しい鳥で、人の言葉も話せたとされます。ところが、アポロンの恋人コロニスの不貞を告げ口したことで、アポロンの怒りを買い、羽を黒く変えられてしまった、というのです(伝承によって細部は異なり、ローマの詩人オウィディウスの『変身物語』にも見られます)。ここでのカラスは、「知らせを運ぶ鳥」であり、同時に「知らせたせいで罰を受ける鳥」でもあります。

太陽の中の三足烏、光を盗んだワタリガラス

中国では、太陽の中に三本足のカラスが棲むとされ、三足烏は太陽の象徴になりました。奇数は「陽」の数なので三本足になった、という説明もあります。八咫烏が三本足で描かれるようになった背景にも、この考え方があると言われます。

北米の北西海岸に暮らすトリンギットの人々などには、ワタリガラスが、箱に閉じ込められていた太陽や光を盗み出し、暗い世界に光をもたらした、という創世の物語が伝わっています。ここでのカラスは、いたずら好きで知恵の回る、世界の恩人です。

インドからチベットへ ― 敦煌で見つかった烏占の表

当サイトの占いと、いちばん関係の深い話がこれです。インドには、カラスの鳴き声を占う書物があり、それがチベット語に訳されて伝わりました。アメリカの東洋学者ベルトルト・ラウファーは、1914年に学術誌『通報(T’oung Pao)』に発表した論文「チベット人の鳥占い」で、この書物と、中国・敦煌の石窟から見つかった古いチベット語の文書(ペリオ将来文書)を比べて紹介しています。ラウファーは、このインドの書が9世紀前半にはチベットで知られていたと考えました。

その仕組みは、カラスが鳴いた「方角」と「時間帯」を組み合わせて、何が起こるかを読むというものです。方角は東西南北とその間の8方位に、天頂を加えた9つ。時間帯は、一日をいくつかの区切りに分けています。たとえば、最初の時間帯に東でカラスが鳴けば「人の願いがかなう」、南東なら「敵が近づく」、南なら「友が訪ねてくる」、西なら「大風が起こる」、北西なら「見知らぬ客が現れる」、北なら「散らばっていた財が見つかる」といった具合です。ほかの時間帯では、病や敵の来襲、思いがけない利益なども読まれています。

さらにこの書には、鳴き声そのものを聞き分ける読みもあります。「カカ」と鳴けば財を得る、「ダダ」と鳴けば不幸が訪れる、といったように、鳴き声を音で書き分け、それぞれに意味を与えているのです。巣を木のどちら側に作ったかで、その年の雨や実りを占う読みも載っています。

ラウファーは、ほかの地域の例も注で紹介しています。南インドでは、カラスが家でしきりに鳴くと客が来ると信じられ、多めに食事を用意する女性もいたこと。インドのパールシー(ゾロアスター教徒)の人々は、カラスの鳴き声が吉にも凶にもなると考え、悪い鳴き方をするカラスには「あっちへ行って、良い知らせを持っておいで」と声をかけて追い払ったこと。チベットの教訓の詩では、ワタリガラスの鳴き声が「友が来る、友が来る」という言葉に聞きなされていたこと。カラスの声を「誰かが来る知らせ」と受け取る感覚は、国を越えて広く見られたようです。

やさしく言うと、チベットには「どの方角から、どの時間に鳴いたか」の組み合わせで意味を引ける、烏占の早見表のようなものがありました。1000年以上前の人も、カラスの声を「表で調べて」いたのです。当サイトの占いの一部の方角は、この表を参考にしています。

本物のカラスは、なぜ鳴くのか ― 鳥としての声

占いの話に入る前に、実際のカラスの声についても知っておきましょう。私たちが街でよく見かけるカラスは、主にハシブトガラスとハシボソガラスの2種類です。札幌市や新潟県の案内によれば、ハシブトガラスは「カァカァ」と澄んだ声で、ハシボソガラスは「ガァガァ」と濁った、しわがれた声で鳴くとされます。ハシボソガラスは、おじぎをするような姿勢で鳴くのも特徴だそうです。

つまり、「澄んだ声」と「濁った声」の違いは、カラスの気分や運勢ではなく、鳥の種類の違いであることも多いのです。また、カラスは仲間と鳴き交わして連絡を取り合う鳥で、縄張りの主張や、危険を知らせる警戒の声もあります。春から夏(おおむね4月上旬〜7月下旬)の繁殖期には、巣に近づく人に向かって「カッカッカッ」と鳴いたり、枝をつついたりして威嚇し、さらに近づくと、頭のすぐ近くをかすめて飛ぶこともあるとされます。

もうひとつ、興味深い研究があります。2015年、米ワシントン大学の研究者は、野生のアメリカガラスが、死んだ仲間のまわりに集まって騒ぎ立てることを確かめ、それが「そこに危険がある」ことを学ぶ機会になっている、と報告しました。死骸のそばで見かけた人間を、たった一度で危険な相手として覚え、その後しばらく騒ぎ立てることもあったそうです。カラスが「死のそばで群れて騒ぐ」のは、どうやら言い伝えの中だけの話ではないようです。

やさしく言うと、カラスの声の違いの多くは「種類の違い」と「仲間への連絡」で説明できます。とくに春から夏に近くでしつこく鳴かれたら、それは占いのサインではなく「巣に近づかないで」という警告かもしれません。そっと離れるのがいちばんです。

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当サイトの「カラスの鳴き声占い」の見方と、仕組み

ここからは、当サイトのツールが実際にどう動くかを、正確にお伝えします。仕組みを知っておくと、結果を必要以上に怖がらず、上手に楽しめるようになります。

選ぶのは4つ ― わからない項目は空けたままで大丈夫

  • 回数:カラスが続けて鳴いた回数。1回〜7回と、「たくさん(数えきれないほど)」から選びます。
  • 時刻:鳴き声を聞いた時刻を、十二時辰(じゅうにじしん)で選びます。はじめは、いまの時刻にあたる刻が選ばれています。
  • 方角:声が聞こえてきた方角を、北・北東・東・南東・南・南西・西・北西の8方位から選びます。
  • 鳴き方:短く澄んだ声、濁った低い声、長く引く声、群れで騒ぐ声、甘えるような声、水浴びの声、の6種類から選びます。

「回数は数えていなかった」「方角はよく分からない」ということもあるでしょう。わからない項目は選ばなくても占えます。選んだ項目の読みだけが表示されます。生年月日や名前などの個人情報は使いません。

やさしく言うと、十二時辰は「一日を約2時間ずつ12に分けて、子(ね)・丑(うし)・寅(とら)…と十二支の名前をつけた、昔の時刻の数え方」です。たとえば「子の刻」はおおよそ午後11時〜午前1時、「卯の刻」は午前5時〜7時ごろにあたります。

読みの体系は、当サイト独自の創作です

ここは、とても大切なところなので、はっきり書いておきます。カラスの鳴き声で吉凶を占うという俗信は、日本の各地に伝わっています。けれども、「何回鳴いたら何」「何の刻に鳴いたら何」「どの方角なら何」と、回数・時刻・方角ごとに吉凶を細かく決めた日本の決まった体系は、当サイトが調べた範囲では見つかりませんでした。

そこで当サイトは、「烏鳴き」の言い伝えの雰囲気、熊野の烏や八咫烏の伝承、そしてラウファーが紹介したチベット・敦煌の烏占を参考にしながら、回数・時刻・方角・鳴き方の読みを独自に組み立てました。一部の方角の読みは、チベットの烏占の表を参考にしています。つまり、このツールの結果は「昔から伝わる占いそのもの」ではなく、伝承に想を得た当サイトの創作です。古い占い書に載っている、と誤解されないよう、ご注意ください。

また、言い伝えの中で「人が死ぬ」とされてきた部分は、そのまま使わず、「身内や親しい人の体調に気を配る日」「遠くの人に連絡してみる日」のように、身近な人を気づかう行動に言い換えています。怖がらせるためではなく、読んだ人が、誰かに一声かけるきっかけになるように、という考えからです。

回数の読み

回数の読みは、数そのものが持つイメージ(始まり、つながり、ご縁、満ちる数など)と、言い伝えで気にかけられてきた鳴き方を組み合わせて作っています。おおまかな方向は次のとおりです。

  • 1回:物事の「始まり」の合図。気になっていた小さな用事を一つ片づけると、流れが動き出す、という読み。
  • 2回:人との「つながり」の知らせ。しばらく連絡していない人との便りの行き来を示す読み。
  • 3回:古くから気にかけられてきた回数として、身内や親しい人の体調にそっと気を配る日、という注意寄りの読み。
  • 4回:「足もと」への注意。急ぐ判断は一晩置き、忘れ物や火の元を確かめる、という読み。
  • 5回:「ご縁」に通じる数として、出会いや思いがけない誘いによい巡り合わせがある、という読み。
  • 6回:「流れ」の変わり目。予定どおりにいかなくても焦らず、回り道を楽しむ、という読み。
  • 7回:満ちる数。積み重ねてきたことが形になりはじめる兆し、という読み。
  • たくさん:カラスが何かを見張っている印として、無理をせず、戸締まりと体調管理を丁寧に、という注意寄りの読み。

「三」を注意寄りにしたのは、熊野の起請文で誓いを破ると烏が三羽死ぬという説があること、ラウファーが紹介したゲルマンの占いで「三度鳴くカラス」が不吉とされたことなど、三という数がカラスの不吉な伝承にたびたび顔を出すことを踏まえた、当サイトの設計です。ほかの数の読みも、決まった伝承に基づくものではありません。

時刻の読み(十二時辰)

時刻の読みは、その時間帯の空の様子や、昔の人の暮らしの感覚を手がかりにしています。夜明けは「闇が終わる」前向きな時間、夕暮れは魔物に出会うとされた「逢魔が時(おうまがとき)」、深夜は「草木も眠る」不安な時間、というイメージです。

  • 子の刻(23〜1時):眠れない誰かの思いが届いた印。気になる人に、翌朝短い便りを送ってみる読み。
  • 丑の刻(1〜3時):古くから胸騒ぎの種とされた時間。自分や身内の小さな不調を見過ごさないよう気を配る、注意寄りの読み。
  • 寅の刻(3〜5時):夜明け前の先触れ。長い悩みに出口が見えはじめる兆し。
  • 卯の刻(5〜7時):朝日と共に一日の門を開く声。新しいことを始めるのに向いた読み。
  • 辰の刻(7〜9時):仕事や学びの追い風。頼まれごとを快く引き受けると、福となって返る読み。
  • 巳の刻(9〜11時):お金の出入りの知らせ。財布の中を整える読み。
  • 午の刻(11〜13時):隠していたことが明るみに出る印。言いそびれていたことは正直に伝える読み。
  • 未の刻(13〜15時):のんびりした客人の訪れの兆し。
  • 申の刻(15〜17時):人間関係の小さな行き違いへの注意。言葉を一つ多く添える読み。
  • 酉の刻(17〜19時):ねぐらへ帰るカラスの声。寄り道を控え、家族との時間を大切にする読み。
  • 戌の刻(19〜21時):逢魔が時の名残。火の元と戸締まりを確かめ、夜道の一人歩きを控える注意寄りの読み。
  • 亥の刻(21〜23時):一日の締めくくりの合図。気がかりを書き出してから眠る読み。

方角の読み ― チベットの烏占と、日本の鬼門

方角の読みには、二つの手がかりを使っています。ひとつは、ラウファーが紹介したチベットの烏占の表。もうひとつは、北東を「鬼門(きもん)」、南西を「裏鬼門」として忌む、日本で古くから親しまれてきた方角の考え方です。

  • 北:静かに考えよという知らせ。大きな決断を急がず、年長者の意見を聞く読み。
  • 北東:鬼門にあたる方角として、身の回りを清めよという合図。玄関や水回りを掃除する、注意寄りの読み。
  • 東:日の昇る方角。願いごとが前へ進む吉兆。
  • 南東:言い争いへの注意。売り言葉に買い言葉を控える読み。
  • 南:人に知られる喜び。努力が認められる兆し。
  • 南西:裏鬼門にあたる方角として、疲れのたまりを知らせる声。早めに休む、注意寄りの読み。
  • 西:日の沈む方角。風向きが変わる印。予定の変更も流れに任せる読み。
  • 北西:遠くからの客や便りの知らせ。離れて暮らす人との縁が深まる読み。

チベットの表の、最初の時間帯の読みと並べてみると、東の「願いがかなう」は当サイトの「願いごとが前へ進む」に、南東の「敵が近づく」は「言い争いへの注意」に、西の「大風が起こる」は「風向きが変わる」に、北西の「見知らぬ客が現れる」は「遠くからの客や便り」に、それぞれ雰囲気を重ねています。ただし、チベットの表は時間帯によって同じ方角でも読みが変わりますし、当サイトは方角と時刻を掛け合わせる仕組みにはしていません。あくまで「参考にした」ものであって、再現ではありません。

鳴き方の読み

  • 短く澄んだ声:晴れやかな知らせ。迷っていることに「はい」と答えるとよい方向に進む読み。
  • 濁った低い声:心や体の疲れを映す声。予定を詰めこまず、休むことを勧める注意寄りの読み。
  • 長く引く声:昔から人々が胸騒ぎを覚えた鳴き方。遠くの身内や友に連絡してみる、注意寄りの読み。
  • 群れで騒ぐ声:周りがにぎやかになる兆し。人の集まりでは聞き役に回る読み。
  • 甘えるような声:子ガラスのような声。身近な人が助けを求めている印として、小さな頼みごとに応える読み。
  • 水浴びの声:水辺で鳴く声。古いわだかまりを一つ手放す機会の知らせ。

「長く引く声」を注意寄りにしたのは、鳥取の言い伝えにある「カーァと長く鳴くと近く死人が出る」を踏まえたものです。ただし、読みは「死」ではなく「連絡してみる」に置き換えています。先に書いたとおり、「澄んだ声」「濁った声」の違いは、実際にはカラスの種類の違いであることも多い点を、頭の片隅に置いておいてください。

結果画面に出るもの

  • 項目ごとの読み:選んだ回数・時刻・方角・鳴き方それぞれについて、その声が告げるとされる意味と、今日の過ごし方のヒント。
  • 全体の傾向:選んだ項目の読みをまとめて、今回の鳴き声が全体としてどちら寄りの知らせだったか。
  • 鴉からの一言:当サイトのカラスから、あなたへの短いメッセージ。吉でも凶でも、決めるのはあなたの一歩だ、という言葉が添えられます。

実例:Aさん・Bさん・Cさんが聞いたカラスの声

ここでは、架空の「Aさん」「Bさん」「Cさん」が実際にツールを使った、という設定で、読み方の例を見ていきます(いずれも実在の人物ではありません)。この占いは生年月日を使わないので、年齢や誕生日は結果に関係しません。

Aさん:夕暮れ、西の方角から、三度、長く引く声

Aさんは、仕事帰りの午後6時ごろ、西の空の方から、カラスが「カーァ、カーァ、カーァ」と長く尾を引くように三度鳴くのを聞きました。子どものころに聞いた「カラス鳴きが悪い」の話を思い出し、少し気味が悪くなって、ツールを開きます。回数は「3回」、時刻は「酉の刻(17〜19時)」、方角は「西」、鳴き方は「長く引く声」を選びました。

  • 回数(3回):身内や親しい人の体調にそっと気を配り、声をかけてあげるとよい日、という読み。
  • 時刻(酉の刻):ねぐらへ帰るカラスの声は、家路を急げという知らせ。寄り道は控え、家族と過ごす時間を大切に、という読み。
  • 方角(西):風向きが変わる印。予定の変更があっても、流れに任せると思わぬ収穫がある、という読み。
  • 鳴き方(長く引く声):遠くの身内や友に連絡し、元気かどうか確かめてみる日、という読み。

4つを並べると、「家族や離れて暮らす人を気づかう日」という一本の線が見えてきます。言い伝えのままなら「近く死人が出る」と読まれかねない組み合わせですが、当サイトの読みでは「今夜は寄り道せずに帰って、実家に電話してみよう」という行動に変わります。Aさんは、しばらく連絡していなかった母親に電話をかけ、他愛のない話をして眠りました。カラスの声が何かを予言したわけではありません。けれど、声をきっかけに誰かを思い出せたなら、それはそれで悪くない一日の終わり方でしょう。

Bさん:夜明け、東の方角から、一声だけ澄んだ声

Bさんは、早朝の散歩中、朝日が昇りはじめた東の方から、カラスが「カア」と短く澄んだ声で一度だけ鳴くのを聞きました。時刻は午前6時ごろ。回数は「1回」、時刻は「卯の刻(5〜7時)」、方角は「東」、鳴き方は「短く澄んだ声」を選びます。

結果は、1回が「始まり」の合図、卯の刻が新しいことを始めるのに向いた吉の声、東が願いごとが前へ進む吉兆、短く澄んだ声が晴れやかな知らせ。すべてが前向きな読みで、全体の傾向も明るいものになります。Bさんは、先延ばしにしていた資格の勉強を、この日から始めることにしました。ここで大切なのは、結果がよかったから始めたのではなく、「始めたい」という気持ちがもともとあって、カラスの声がその背中を押した、という順番です。

Cさん:回数しか覚えていない

Cさんは、昼間、部屋の中にいるときに、外でカラスが数えきれないほど鳴き続けているのを聞きました。どの方角からだったのか、どんな声だったのかはよく覚えていません。そこで、回数の「たくさん」だけを選び、ほかは空けたまま占いました。

表示されたのは、回数の読みだけです。数えきれないほど鳴き続けるのは、カラスが何かを見張っている印。今日は無理をせず、戸締まりと体調管理を丁寧に、という内容でした。ちなみに、現実のカラスがしつこく鳴き続けるときは、近くに巣があって警戒している、仲間を呼んでいる、あるいは猛禽類などの外敵を見つけて騒いでいる、といった理由が考えられます。「見張っている」という読みは、案外、カラスの実際の姿に近いのかもしれません。

カラスの鳴き声占いを楽しむための5つのコツ

  1. 聞いたらすぐメモする:回数や方角は、時間がたつとあいまいになります。「何時ごろ、どっちから、何回、どんな声」を、スマホのメモに一行残しておくと占いやすくなります。
  2. わからない項目は無理に埋めない:あいまいなまま選ぶと、読みが自分の気持ちとずれてしまいます。確かな項目だけで占うほうが、納得のいく結果になります。
  3. 注意寄りの読みは「誰かを気づかう合図」に:注意寄りの結果は、悪いことが起こる予言ではありません。身内に連絡する、早めに休む、火の元を確かめる、といった小さな行動に変えれば十分です。
  4. 同じ声で何度も占い直さない:気に入らない結果が出るたびに選び直すと、かえって不安が大きくなります。一つの声には、一つの読み。それくらいの距離感がちょうどよいでしょう。
  5. カラスそのものには近づかない:声の方角を確かめようとして、巣や群れに近づくのは危険です。とくに春から夏の繁殖期は、遠くから耳を澄ませるだけにしてください。

カラスの占いの用語かんたん早見表

記事に出てきた言葉や人物を、ひとことでまとめました。

  • 烏鳴き(からすなき):カラスがやかましく鳴くこと。その声で吉凶を占えるという俗説があり、とくに凶事の前ぶれとする俗信がある。
  • 鳥占(とりうら):鳥の鳴き声や飛び方から吉凶を読む占いの総称。世界各地に見られる。
  • 八咫烏(やたがらす):神武天皇を熊野から大和へ導いたとされる烏。三本足の姿で知られる。
  • 三足烏(さんそくう):中国で、太陽の中に棲むとされた三本足の烏。太陽の象徴。
  • 熊野牛王宝印(くまのごおうほういん):烏の姿を組み合わせた「烏文字」が刷られた熊野のお札。中世には起請文の用紙にもなった。
  • 起請文(きしょうもん):神仏に誓いを立て、破れば罰を受けると記した誓約書。
  • 烏勧請(からすかんじょう):正月の農作業の始まりなどに、カラスに供え物をして、食べ方でその年の実りなどを占う風習。
  • フギンとムニン:北欧神話の主神オーディンに仕える2羽のワタリガラス。「思考」と「記憶」を意味するとされる。
  • ラウファー:ベルトルト・ラウファー。1914年に論文「チベット人の鳥占い」で、インドからチベットへ伝わった烏占を紹介した東洋学者。
  • 十二時辰(じゅうにじしん):一日を約2時間ずつ12に分け、十二支の名をつけた昔の時刻。
  • 鬼門(きもん)・裏鬼門:北東と南西の方角。古くから、災いが出入りする方角として忌まれてきた。
  • 逢魔が時(おうまがとき):夕暮れの薄暗い時間。魔物に出会いやすいと考えられてきた。

考察 ― 人はなぜ、鴉の一声に耳を澄ませてきたのか

ここからは、歴史や仕組みの要約ではなく、当サイトなりの見方でカラスの鳴き声占いを眺めてみます。定説ではなく、あくまで当サイトの推察や仮説であることを、あらかじめお断りしておきます。

「読めない不安」を「読める言葉」に置き換える

『好色万金丹』の一節は、烏鳴きの悪いのを聞いたら、隣の年寄りの身を案じよ、という趣旨でした。ここで注目したいのは、この言葉が「怖がれ」ではなく「案じよ」と言っていることです。当サイトの見方では、「カラス鳴きが悪い」という俗信の芯にあったのは、死そのものへの恐怖よりも、「身近な誰かを失うかもしれない」という、名前のつけようのない不安だったのではないでしょうか。

医療が乏しく、流行り病ひとつで家族が次々に倒れた時代、人の死はいつも、前ぶれなくやってきました。前ぶれがないことほど、人を怯えさせるものはありません。そこへ、夕暮れの空に響く、いつもと違うカラスの声。これは推察ですが、人々はその声に「前ぶれ」の役を担わせることで、予測できない死に、せめて輪郭を与えようとしたのではないかと思います。「カラスが鳴いたから、隣の婆さまの様子を見に行こう」。そう思えれば、不安はただの不安ではなく、行動に変わります。

チベットの烏占も、同じ働きをしていたように見えます。方角と時間帯の表があれば、得体の知れない鳥の声は、表で「引ける」言葉になります。ラウファーによれば、この占いでは、カラスが鳴いたその瞬間に、自分の問いを口に出して唱える作法があったそうです。声を待ち、問いを投げ、表で答えを引く。それは、自然の偶然に向かって、人の側から「会話」を持ちかける技術だったのかもしれません。当サイトのツールが「人が死ぬ」を「身内に気を配る」に置き換えたのも、この「不安を行動に変える」という烏占の知恵を、現代に引き継ぎたいと考えたからです。

弔いを見てきた鳥 ― 群れの騒ぎと、死の記憶

なぜカラスの声は、あれほど具体的に「近所の死」と結びついたのでしょう。当サイトの見方では、そこには、人々が実際に目にしてきた光景の記憶が沈んでいるように思えます。

火葬が広く行きわたる前、亡骸は野辺に送られ、土に埋められ、ときには人里離れた場所に置かれました。中世には、人の亡骸が朽ちていく過程を九つの段階で描いた「九相図(くそうず)」という仏教絵画が描かれ、その中には、鳥や獣が亡骸に群がる場面も含まれるとされます。これは推察ですが、弔いの場のそばでカラスが群れ、騒ぎ、鳴き交わす姿は、昔の人にとって決して珍しいものではなかったはずです。死のあるところに、カラスがいる。その記憶が積み重なるうちに、順番が入れ替わって、「カラスが騒ぐところに、死がある」という言い伝えになったのではないでしょうか。

2015年のワシントン大学の研究が示したように、カラスは死んだ仲間のまわりに集まって騒ぎ、そこで危険を学びます。カラス自身にとっても、死は「騒ぐべき出来事」なのです。人が聞いていた「いつもと違う声」は、もしかすると、カラスたちが自分たちの弔いのようなものをしている声だったのかもしれません。そう考えると、不吉な声は、少し違って聞こえてきます。それは死を呼ぶ声ではなく、死を悼み、そこから何かを学ぼうとする、生き物の声だったのではないか、と。

夜明けと夕暮れ ― 境目の時刻に鳴く鳥

カラスは、夜明けとともにねぐらを飛び立ち、夕暮れにねぐらへ帰っていきます。つまり、カラスの声がいちばんよく響くのは、昼と夜が入れ替わる「境目の時刻」です。

日本では、夕暮れの薄暗い時間は「逢魔が時」と呼ばれ、魔物や、この世ならぬものに出会いやすい時間だと考えられてきました。当サイトの見方では、カラスが「この世とあの世をつなぐ鳥」「霊魂を運ぶ鳥」と見なされたのは、黒い羽の色だけでなく、この鳥が毎日、境目の時刻に鳴きながら空を渡っていく姿を、人々が見続けてきたからではないかと思います。夕焼けの中、黒い影が群れをなして山の方へ消えていく。その向こうに、亡き人の行く場所を重ねた人がいても、おかしくはありません。

一方で、夜明けのカラスの声は、闇の終わりを告げる声でもありました。八咫烏が太陽神の使いとされ、三足烏が太陽の中に棲むとされたのは偶然ではないでしょう。これは推察ですが、同じ鳥が「夕暮れには死の側へ、夜明けには光の側へ」と、一日のうちに二つの顔を見せていたことが、カラスをめぐる吉凶の両面性の、いちばん素朴な源だったのかもしれません。当サイトの時刻の読みで、寅・卯の刻を前向きに、戌の刻を注意寄りにしているのは、この二つの顔を映したものです。

約束の証人としての烏 ― 遊女の起請と「三千世界の烏」

熊野の牛王宝印に書かれた起請文は、武士の誓いだけに使われたのではありません。江戸時代の遊郭では、遊女が客をつなぎとめるため、年季が明けたら夫婦になる、という起請文を書いて渡すことがあったと伝えられています。ところが、同じ約束を何人もの客に渡していた、という話が落語『三枚起請』の題材になりました。

そしてよく知られているのが、「三千世界の烏を殺し、ぬしと朝寝がしてみたい」という都々逸です。幕末の志士・高杉晋作の作とも言われます。夜明けを告げる烏がいなくなれば、朝が来ず、愛しい人と別れずにすむ。起請を破れば熊野の烏が死ぬのなら、世界中の烏を殺してでも、あなたと一緒にいたい。諸説ある解釈のひとつですが、この短い唄には、嘘の誓いと本当の恋情、朝の別れのつらさ、そして烏への恨めしさが、何重にも折りたたまれています。

当サイトの見方では、ここにカラスという鳥の本質が表れています。カラスは、人の「本当の気持ち」を見ている鳥として想像されてきたのです。誓いが本物か嘘か。朝が来ることを、恋人たちがどれほど恐れているか。遊郭の暗がりで、客への誓いを何枚も書いた遊女は、熊野の烏が何羽死ぬことになるのかを、ふと考えたことがあったでしょうか。生きるために嘘の誓いを書くしかなかった女性たちにとって、烏の声は、罰の予告であると同時に、自分の嘘を知っている唯一の証人の声だったのかもしれません。これは推察ですが、夜明けの烏の声が、人によっては死の声よりも恐ろしく聞こえた時代があったのだと思います。

「三」という数の重さ

カラスをめぐる言い伝えを追っていると、「三」という数が何度も現れます。八咫烏の三本の足。太陽に棲む三足烏。起請を破ると死ぬとされた熊野の三羽の烏(一羽という説もあります)。ラウファーの論文の注に引かれた、屋根の上で三度鳴けば戦士が死ぬというゲルマンの占い。

中国の考え方では、三は奇数、つまり「陽」の数であり、太陽にふさわしい数だとされました。聖なる数が、同時に不吉な数にもなる。当サイトの見方では、これは矛盾ではなく、「強い力を持つものは、祝福にも呪いにもなる」という、古い信仰の感覚の表れだと思います。神の使いが、裏切り者には罰を運ぶ。導きの鳥が、死者のもとにも舞い降りる。当サイトの占いで「三声」を「身内の体調に気を配る日」という注意寄りの読みにしたのは、この数に込められてきた重さを、怖がらせすぎない形で残したかったからです。

恐れと親しみは、同じ根から生まれた

鳥取の資料が伝える「大人は死の前ぶれとして恐れ、子どもはわらべ歌で親しんだ」という対比は、カラスという鳥の二面性を、見事に言い当てていると思います。

「七つの子」では、カラスは山に残した可愛い子を思って鳴きます。中国には、成長した子ガラスが年老いた親ガラスに餌を運んで恩を返すとされる「反哺(はんぽ)の孝」という言葉もあり、カラスは親子の情の深い鳥とも見られてきました。当サイトの見方では、「カラス鳴きが悪い」という恐れと、「カラスは子を思って鳴く」という親しみは、じつは同じ根から生まれています。それは、「この鳥は、人と同じように、大切な誰かを思って鳴いている」という感覚です。

だからこそ、カラスが長く、悲しげに鳴くと、人は「誰かが誰かを失おうとしているのではないか」と感じたのでしょう。恐れは、共感の裏返しでもあったのです。これは推察ですが、カラスの声に死の気配を聞いてきた大人たちも、本当は子どもと同じように、夕焼けの空を渡るカラスに、帰る場所と待つ人のことを重ねていたのではないでしょうか。違ったのは、大人のほうが、失うことの重さを知っていた、ということだけなのかもしれません。

鴉番組が、カラスの声を占いにした理由

最後に、当サイトの考えを少しだけ。鴉番組は、怪談や心霊の話を「記録するため」に集めているサイトです。怖い話の多くは、突き詰めると、「大切な人を失いたくない」「失った人にもう一度会いたい」という気持ちに行き着きます。カラスの鳴き声をめぐる俗信も、その典型だと思います。

このツールの結果は、何も予言しません。けれども、カラスの声を聞いたその日に、誰かの顔を思い浮かべ、「元気にしてる?」と一行送ることはできます。『好色万金丹』の時代の人々が、烏鳴きを聞いて隣の年寄りを案じたように。当サイトは、カラスの鳴き声占いを、そんな昔ながらの「気づかいのきっかけ」として、そっと手渡したいと考えています。

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商品の購入により、当サイトが紹介料を受け取る場合があります。

この占いと向き合う際の注意

本記事および当サイトの「カラスの鳴き声占い」は、エンターテインメントおよび読み物として提供するものであり、結果を保証するものではありません。読みの体系は、各地の言い伝えや古い烏占を参考に当サイトが独自に創作したもので、特定の伝承をそのまま再現したものではありません。医療・法律・投資・進学・就職・結婚などの重要な判断の代わりにもなりません。

カラスの鳴き声から、人の生死や病気、事故などを断定することはできません。「カラスが鳴いたから不幸が起こる」「お祓いや高額な祈祷が必要」などと不安をあおり、鑑定料や祈祷料、開運グッズの購入をすすめられた場合は、その場で決めず、いったん持ち帰って冷静に考えてください。

身近な人の死や病気への不安が強く、眠れない、気持ちが沈んだまま戻らない、といった状態が続く場合は、ひとりで抱え込まず、身近な人や専門の窓口にご相談ください。よりそいホットライン(0120-279-338、24時間対応の無料相談)などの相談窓口があります。

本物のカラスには近づかないでください。とくに春から夏(おおむね4月〜7月ごろ)の繁殖期は、巣に近づく人を威嚇したり、頭の近くをかすめて飛んだりすることがあります。鳴き声の方角を確かめようとして巣や群れに近づく、餌を与えて呼び寄せる、といった行為は、けがやご近所とのトラブルのもとになります。耳を澄ませるだけにとどめましょう。

本記事で触れた熊野三山などの神社は、現在も信仰の場です。参拝の際は、それぞれの神社の決まりや、参拝の作法を守ってください。本記事の歴史や伝承に関する記述は、複数の資料を参照して当サイトの言葉でまとめたものです。伝承には諸説あり、資料によって記述が異なる点があります。「当サイトの見方」「推察」と明記した部分は、当サイト独自の考察であり、定説ではありません。

よくある質問

Q. カラスの鳴き声占いとは何ですか?

A. 偶然耳にしたカラスの声を何かの知らせと受け取り、その意味を読み解こうとする占いです。当サイトのツールでは、鳴いた回数・時刻(十二時辰)・方角・鳴き方を選ぶと、それぞれの読みと全体の傾向、鴉からの一言が表示されます。

Q. この占いは、昔から伝わる方法そのままですか?

A. いいえ。回数・時刻・方角ごとに吉凶を定めた日本の決まった体系は、調べた範囲では見つかりませんでした。各地の「烏鳴き」の言い伝えや、ラウファーが紹介したチベット・敦煌の烏占などを参考に、当サイトが独自に組み立てた創作の体系です。

Q. 「カラス鳴きが悪いと人が死ぬ」というのは本当ですか?

A. そうした言い伝えは各地にあり、国語辞典にも凶事の前兆とする俗信として載っていますが、カラスの声が人の死を予言するという根拠はありません。当サイトの占いでは、こうした言い伝えを「身内に気を配る日」などの言葉に置き換えています。

Q. 不吉な結果が出たら、心配したほうがいいですか?

A. 心配はいりません。カラスは仲間と鳴き交わす鳥で、鳴き声の多くは連絡や縄張りの主張、警戒などだと考えられています。注意寄りの結果は、身近な人に連絡する、早めに休むといった、小さな気づかいのきっかけとして受け取ってください。

Q. 回数や方角がわからないときは、どうすればいいですか?

A. わからない項目は選ばなくても占えます。その場合は、選んだ項目の読みだけが表示されます。あいまいなまま選ぶより、確かな項目だけで占うほうがおすすめです。

Q. 時刻の「十二時辰」とは何ですか?

A. 一日を約2時間ずつ12に分け、子・丑・寅…と十二支の名前をつけた昔の時刻の数え方です。たとえば「子の刻」はおおよそ午後11時〜午前1時ごろにあたります。ツールでは、はじめにいまの時刻にあたる刻が選ばれています。

Q. 八咫烏とは、どんなカラスですか?

A. 『古事記』『日本書紀』で、神武天皇を熊野から大和へ道案内したとされる烏です。三本足の姿で知られますが、記紀には三本足の記述はなく、平安時代以降、中国の三足烏と重ねられたとする説があります。熊野三山では神の使いとして大切にされています。

Q. 熊野の牛王宝印とカラスには、どんな関係がありますか?

A. 熊野牛王宝印は、烏の姿を組み合わせた「烏文字」が刷られたお札で、中世には誓いを立てる起請文の用紙としても使われました。誓いを破ると熊野の烏が死に(一羽とも三羽とも)、本人にも罰が下ると信じられていたと伝えられます。

Q. 外国にも、カラスの鳴き声で占う文化はありますか?

A. あります。インドの烏鳴き占いの書はチベットに伝わり、敦煌で見つかったチベット語の文書には、鳴いた方角と時間帯ごとの読みが並んでいます。南インドでは、カラスが家でしきりに鳴くと客が来る、という言い伝えもラウファーの論文で紹介されています。

Q. 北欧神話のカラスについて教えてください。

A. 主神オーディンは、フギン(思考)とムニン(記憶)という2羽のワタリガラスを従え、毎日世界中を飛ばせて情報を集めさせたとされます。一方、北欧の詩ではカラスは戦場の鳥としても描かれ、知恵と死の両方に結びついていました。

Q. 澄んだ声と濁った声は、何が違うのですか?

A. 実際には、カラスの種類の違いであることが多いとされます。街でよく見るハシブトガラスは「カァカァ」と澄んだ声、ハシボソガラスは「ガァガァ」と濁った声で鳴くと言われます。占いの読みとは別に、鳥としての違いも知っておくと楽しめます。

Q. カラスがしつこく鳴いてくるのですが、どうすればいいですか?

A. とくに春から夏の繁殖期は、近くに巣があり、「近づかないで」と警戒している可能性があります。占いのサインと考えるより、その場をそっと離れ、巣に近づかないようにしてください。困ったときは、お住まいの自治体の相談窓口に問い合わせるとよいでしょう。

Q. 同じ日に何度も占ってもいいですか?

A. 別のカラスの声を聞いたときに占うのは構いません。ただ、同じ声について、気に入る結果が出るまで選び直すと、かえって不安が大きくなりがちです。一つの声には一つの読み、くらいの気持ちで楽しんでください。

Q. 当サイトのカラスの鳴き声占いは無料ですか?

A. はい、無料で使えます。鳴いた回数・時刻・方角・鳴き方を選ぶだけで、生年月日や名前などの個人情報の入力は不要です。

あわせて試したい関連の占い

カラスの鳴き声占いと同じく、日本の言い伝えや、身近な生き物に目を向ける占いです。「夜に爪を切ると…」のような昔からの俗信の由来を調べたり、生き物を手がかりに自分を見つめ直したりすると、カラスの声の聞こえ方も、また少し変わってくるはずです。

「守護動物占い」を無料で占う

もっと深く読みたい方へ

「偶然のしるし」に意味を読む占いを、別の角度から掘り下げた記事です。

参考にした資料

本記事は、次の資料を参考に、当サイトの言葉でまとめました(文章の引き写しではありません)。記事中の「Aさん」「Bさん」「Cさん」の実例、回数・時刻・方角・鳴き方の読みは、当サイトの「カラスの鳴き声占い」ツールのデータにもとづくものです。

鴉番組では、怪談や心霊スポットの取材動画を、カラスチャンネル(YouTube)で公開しています。

鴉番組

監修者:Ms.M

所属:鴉番組

研究した占術:西洋占星術・四柱推命・九星気学・タロット・ルーン・手相人相・姓名判断・数秘術・風水・インド占星術/紫微斗数・陰陽道・霊視霊感など12種以上

個別鑑定:お問い合わせより予約制
(現在数年先まで予約でいっぱいです)

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