タロットとは何か ― 遊びのカードは、なぜ「運命を映す絵札」になったのか

目次
一枚の絵札を引いて、いまの自分の状況を映してもらう。タロットは、そんな体験を世界中に広めてきたカード占いです。「愚者」「魔術師」「女帝」「塔」「星」など、名前を聞いたことがある方も多いでしょう。ただ、そのカードがどこから来て、どんな歴史をたどって占いの道具になったのかは、意外と知られていません。
じつはタロットは、もともと占いのために作られたものではありません。15世紀のイタリアで、貴族たちがテーブルを囲んで楽しんだカードゲームの札でした。それがどのようにして「運命を映す絵札」に変わっていったのか。この記事では、史実として確かめられることと、後から付け加えられた俗説とを分けながら、やさしくたどっていきます。
当サイトの無料占い「タロット占い」では、78枚すべて、または大アルカナ22枚だけのどちらかを選んで、1枚引き・3枚引き・恋愛・二択・ケルト十字の5種類の引き方で引けます。結果に出てくる「正位置」「逆位置」といった言葉も、ここで一つずつ解きほぐします。専門用語が出てきたら「やさしく言うと」という引用ボックスで言い換えていますので、難しいと感じたらそこだけ拾い読みしても大丈夫です。後半には、歴史の要約では終わらない、当サイト独自の考察も添えました。
この記事のポイント(3分でわかる要約)
- タロットは、全部で78枚(大アルカナ22枚+小アルカナ56枚)の絵札です。当サイトのツールでは、78枚すべてで引くか、大アルカナ22枚だけで引くかを選べます。
- 起源は占いではなく、15世紀の北イタリアで貴族たちが遊んだカードゲーム用の札(当時の呼び名は「トリオンフィ」)です。
- 占いへの転用が本格化したのは18世紀後半のフランスです。「古代エジプトの秘書が起源」という説もこの頃に生まれましたが、裏づける証拠は見つかっていません(俗説)。
- 1909年に出た「ウェイト版」(ウェイトとパメラ・コールマン・スミスの共同制作)が、現代のタロット占いの標準的な土台になりました。
- 正位置・逆位置や、カードの並べ方(スプレッド)には流派や読み手による違いがあります。当サイトは1枚引き・3枚引き・恋愛(5枚)・二択(5枚)・ケルト十字(10枚)の5種類の引き方があり、正位置と逆位置は半々の確率で出ます。
- 当たることを裏づける科学的な根拠は確認されていません。自分の考えを整理するきっかけとして、気軽に楽しむのがおすすめです。
タロットとは ― 78枚の絵札と、その使い方
タロットは、絵の描かれた札の一組(デッキ)を指します。標準的な一組は全部で78枚あり、大きく二つのグループに分かれます。ひとつは「大アルカナ」と呼ばれる22枚。もうひとつは「小アルカナ」と呼ばれる56枚です。
大アルカナは、「愚者」から「世界」まで、人物や象徴の名前を持つ22枚です。番号は0から21まであり、愚者が0番、世界が21番にあたります。一枚ごとに、人の生き方や心の状態を象徴するような名前が付いています。
小アルカナは、四つのマーク(一般に、杖・剣・杯・貨幣の四種類と呼ばれます)が各14枚ずつ、合わせて56枚です。数字の札と人物の札からなり、トランプの原型に近い構成をしています。日常の細かな出来事や、感情、行動を読むときに使われることが多いとされます。
やさしく言うと、大アルカナは「人生の大きな場面や心の動きを表す22枚の主役カード」、小アルカナは「日々の出来事を表す56枚の脇役カード」というイメージです。
「アルカナ」という言葉は、ラテン語で「秘密」「秘められたもの」を意味する言葉に由来する、と説明されることが一般的です。大がつくか小がつくかは、秘密の大きさではなく、札の役割の違いを分けるための呼び方だと考えてよいでしょう。
占うときは、まず知りたいことを心に置いて、カードをよく混ぜます。そこから決まった枚数を引いて、カード一枚ごとの意味と、並んだ位置(何番目に引いたか)を手がかりに、状況を読み解いていきます。占い師によって細かな作法は違いますが、「混ぜる、引く、読む」という骨組みは共通しています。
当サイトの「タロット占い」では、使うカードを「78枚すべて」と「大アルカナのみ」から選べます。78枚すべてを選べば、小アルカナを含むフルデッキ(78枚)で占えます。大アルカナのみを選べば、22枚の「主役」に絞った、手軽な占いになります。
やさしく言うと、当サイトのタロットは「78枚フルで占うことも、いちばん有名な22枚だけに絞って占うこともできる」つくりです。22枚に絞ると、一枚一枚のカードの存在感が強く出ます。
この記事で使う実例:AさんとBさんの引いたカード
カードの話は、言葉だけだと分かりにくいものです。そこでこの記事では、架空の「Aさん」「Bさん」が、当サイトのツールと同じ仕組みで実際に引いた結果を例にして説明します。実在の人物ではありません。
Aさんは、2000年1月1日生まれの女性という設定です。「転職の応募をするかどうか迷っている」という気持ちを置いて、3枚引きを試しました。Bさんは1990年5月15日生まれの男性という設定で、「最近少し疲れている」という気持ちを置いて、1枚引きを試しました。なお、タロットは生年月日から計算する占いではないため、誕生日は結果には影響しません。あくまで、二人を区別するための設定です。
- Aさんの3枚:「力(逆位置)」→「皇帝(正位置)」→「吊るされた男(正位置)」
- Bさんの1枚:「星(正位置)」
これらは、当サイトのカードデータと引く仕組みを使って実際に引いた結果を、そのまま書き写したものです。乱数で引くため、同じ人が引き直せば、まったく別の結果が出ます。なお、二人とも「大アルカナのみ」を選んで引いた例です。読み方の実例は、後ほど「当サイトのツールの見方」の章で示します。
タロットの由来 ― 貴族の遊戯カードから、占いの絵札へ
15世紀の北イタリア ― 「トリオンフィ」というカードゲーム
タロットの出発点は、15世紀前半から半ばごろの北イタリアです。ミラノ、フェラーラ、フィレンツェ、ボローニャなどの宮廷や都市で、四つのマークの札に加えて、寓意的な絵の描かれた切り札を組み合わせた特別なカードが作られ、遊ばれていました。当時はこのカードを「トリオンフィ(凱旋・勝利の意味)」と呼んでいました。「タロッキ」という呼び名が文書に現れるのは、16世紀に入ったころ(1502年ごろ、ブレシア)とされています。
今も残る最古級のカードとして有名なのが、ミラノを治めたヴィスコンティ家、続いてスフォルツァ家のために、15世紀半ばに描かれた一連の豪華なカードです(「ヴィスコンティ・スフォルツァ版」と呼ばれます)。金や細密な絵で飾られた手描きのカードで、約15組ぶんの札が、いまは世界各地の美術館や個人の収集の中に散らばって残っています。これらは、あくまで日常の遊びに使うためのカードでした。占いの道具として作られたことを示す記録は、この時代には見つかっていません。
やさしく言うと、最初のタロットは「貴族が楽しんだ豪華なカードゲーム」でした。占いの道具として生まれたわけではありません。
ちなみに、英語でトランプゲームの切り札を意味する「トランプ(trump)」という言葉は、このトリオンフィ(triumph)と同じ語源にさかのぼる、と説明されます。私たちが身近に使う「切り札」という感覚の原点に、タロットの祖先がいるわけです。
その後、木版による印刷が広まると、カードは安く大量に作れるようになり、庶民のあいだにも広まっていきます。一方で、賭け事として流行しすぎたために、風紀を乱すとして遊びが禁じられた時期もあった、と伝えられています。占いではなく、遊びとして人気があったからこその出来事だといえるでしょう。
フランスへ ― 「マルセイユ版」と呼ばれる絵柄
このカードはやがてフランスへ伝わります。17世紀から18世紀にかけて、フランス南部の都市マルセイユなどで作られた絵柄が広く出回り、のちに「タロ・ド・マルセイユ(マルセイユ版)」と呼ばれるようになりました。マルセイユ製と確認されている最古のカードは、1639年に作られたものとされています。
ここで一つ、意外な点があります。「マルセイユ版」という名前そのものは、ずっと後の1856年に、フランスのカード研究者が付けたものだといわれます。つまり、当時の人々が自分たちのカードを「マルセイユ版」と呼んでいたわけではありません。この呼び名は、のちに占い師や研究者たちが、ひとつの伝統的な様式を指すために使い始めたラベルです。
18世紀 ― 占いへの転用は、いつ始まったのか
では、いつから占いに使われるようになったのでしょうか。カード研究者のマイケル・ダメットは、「1780年代になるまで、タロットで占いをする人はいなかった」という趣旨のことを述べています(普通のトランプによる占いは、それより20年ほど前から確立していた、とも指摘しています)。16世紀・17世紀の文書に出てくるタロットは、ほとんどがゲームとしての記述です。
ただし、もっと早い時期の兆しを伝える資料もあります。1750年ごろのものとされる無名の写本には、ボローニャで使われていたタロットについて、簡単な占いの意味づけが書かれています。資料によっては、この最初の記録を「18世紀前半」としているものもあり、年代の説明には幅があります。いずれにしても、占いへの転用は「18世紀のヨーロッパ」で、少しずつ始まったと考えられます。
そして決定的な転機になったのが、1780年代のパリです。1781年、フランスの聖職者で学者のアントワーヌ・クール・ド・ジェブランが、大著『原初の世界』の第8巻で、タロットについての一編を発表しました。彼は「タロットは、古代エジプトの神官たちが叡智を封じ込めた秘密の書物である」と主張します。さらに、同書に収められたド・メレ伯爵の文章は、大アルカナの22枚を、ヘブライ文字の22文字と結びつけました。
ところが、この「古代エジプト起源説」を裏づける証拠は、まったく見つかっていません。のちのエジプト学の研究でも、ジェブランが挙げた「エジプト語の語源」を支持する材料は見つかっていません。現在の研究では、これは俗説(発想としては面白いが、事実ではないもの)と位置づけられています。
やさしく言うと、「タロットは古代エジプトの秘密の本」という話は、18世紀のパリで作られた物語です。史実としては、15世紀イタリアのカードゲームが先にあります。
この主張に強く反応したのが、パリの占い師ジャン=バティスト・アリエット(1738〜1791年)、通称「エテイヤ」です。彼は、タロットを「エジプトの神トートの書」になぞらえ、1783年から1785年にかけて、タロットで占うための手引き書を出版しました。各カードに正位置・逆位置それぞれの意味を割り当てる方式を整えたのも彼だと説明されることが多く、彼は世界で最初の職業的なタロット占い師とも呼ばれます。1780年代末には、占いのための専用デッキ(エジプト風のデザイン)も作りました。
エテイヤの活動の詳細(何年に何を始めたか)は、資料によって説明が少しずつ異なります。ここでは、「1780年代のフランスで、タロットの占い利用が一気に形になった」という大づかみな流れを押さえておけば十分です。
19世紀 ― 魔術・神秘思想との結びつき
19世紀に入ると、タロットは西洋魔術(オカルティズム)の世界と深く結びつきます。フランスの神秘思想家エリファス・レヴィは、1854年ごろの著作で、大アルカナ22枚をヘブライ文字22文字と対応づけ、カバラ(ユダヤ教の神秘思想)と結びつける考えを広めました。その後、パピュスら後続の人々が理論を発展させ、この流れは、19世紀末に生まれた魔術結社「黄金の夜明け団」へと引き継がれます。
黄金の夜明け団は、タロットを、占星術の星座や惑星、ヘブライ文字、カバラの体系などと結びつけて、一つの大きな対応表として整理しようとしました。今日のタロット解説書に見られる「このカードは何座に対応する」「この数字はこういう意味」といった説明の多くは、この時代の整理が土台になっています。ただし、それは歴史的な事実というより、19世紀の神秘思想家たちが作り上げた解釈の体系だと考えたほうが正確です。
20世紀 ― ウェイト版(1909年)が「標準」になる
現代のタロット占いに最も大きな影響を与えたのが、1909年12月にロンドンの出版社ウィリアム・ライダー社から出版された「ライダー・ウェイト版」(のちに、絵を描いた人物の名を加えて「ウェイト・スミス版」などとも呼ばれます)です。神秘思想の研究者アーサー・エドワード・ウェイトが構想を示し、画家パメラ・コールマン・スミスが絵を描きました。二人とも、黄金の夜明け団の会員でした。
この版が画期的だった点は二つあります。ひとつは、それまで記号の並びに近い図柄が多かった小アルカナの数札にも、人物や場面が描かれたこと。もうひとつは、大アルカナの8番と11番の順番が入れ替えられたことです。伝統的な並びでは8番が「正義」、11番が「力」でしたが、この版では星座との対応を整えるために、8番を「力」、11番を「正義」にしました。当サイトのツールでも、「力」が8番、「正義」が11番になっているのは、この流れをくんだ並びです。
ウェイトは1910年に、解説書『タロット図解』(The Pictorial Key to the Tarot)を出版しました(書物には1911年の日付が入っています)。この本には、有名な「ケルト十字」というカードの並べ方の解説が載っていて、この並べ方が広く知られるきっかけになったとされています。ウェイト版そのものは、著作権の保護期間が過ぎており、イギリスなど多くの国でパブリックドメイン(誰でも自由に使える状態)になっていて、世界中で数多くの派生デッキが生まれました。
ウェイト版以降も、20世紀半ばには、魔術師アレイスター・クロウリーらが制作した「トート・タロット」など、独自の世界観を持つデッキが登場します。現在では、伝統的な様式を守るものから、現代アートや神話、動物、日常を題材にしたものまで、無数のデッキが出版されています。
やさしく言うと、タロット占いのいまの形は、「15世紀の遊びのカード」に、「18世紀フランスの占い」と「19世紀の神秘思想」が重なり、「1909年のウェイト版」が標準を作った、という層になってできています。
なお、当サイトでは特定の市販デッキの絵柄や解説文は使用しておらず、カード名と短い解釈文を、当サイトの言葉で用意しています。この記事でも、市販デッキの絵柄を描写したり、解説文をなぞったりはしていません。
タロットを読む基礎① ― 大アルカナ22枚は「ひとつの旅」として読まれる
大アルカナは、0番の「愚者」から21番の「世界」までの22枚です。この並びを、一人の人物が旅をして成長していく物語として読む見方が、現代のタロット解説ではよく使われます。「愚者の旅」と呼ばれる読み方です。これは伝統的な決まりごとというより、20世紀以降の解説者たちが広めた、わかりやすい整理のしかたです。
当サイトの言葉で、旅の流れを大づかみに並べると、次のようになります(あくまで目安で、絶対の決まりではありません)。
- 旅立ちと学び:愚者(0)から戦車(7)あたりまで。まだ何も決まっていない状態から、技術や知恵、愛、意志を手に入れていく段階。
- 試練と内省:力(8)から節制(14)あたりまで。自分の弱さや孤独、運命の巡り、審判や区切りを経験しながら、バランスを整える段階。
- 崩壊と再生:悪魔(15)から世界(21)まで。執着や崩壊、そして希望・不安・喜び・再出発を経て、ひとつの完成にたどり着く段階。
この整理でいえば、「塔」や「悪魔」、「死神」のように怖い名前のカードも、旅の途中にある大切な場面として並んでいます。名前だけを見ると不吉に思えるカードでも、意味の中身は「古い枠組みが壊れる」「執着に気づく」「終わりが始まりになる」といった、変化の場面を表すことが多いのです。
やさしく言うと、大アルカナは「バラバラの22枚」というより、「ひとりの人が旅をしながら出会う22の場面」として読むと、意味がつかみやすくなります。
タロットを読む基礎② ― 正位置と逆位置
引いたカードの絵が、読み手から見て正しい向き(上下がそのまま)なら「正位置」、上下がさかさまなら「逆位置」といいます。同じカードでも、向きによって意味が変わる、と考えるのが一般的です。
逆位置の意味づけを整えたのは、先ほど紹介した18世紀のエテイヤだと説明されることが多いようです(資料によって年代の説明には幅があります)。ただし、逆位置を使うかどうかは、今でも読み手によって分かれます。逆位置を使わず、すべて正位置で読む流派もありますし、逆位置を「意味が反対になる」とはせず、「力が弱まっている」「内側に向かっている」などと読む流派もあります。
つまり、「逆位置は悪い意味」という単純な決まりはありません。当サイトのツールでも、逆位置には「警告」の意味と、「解放」の意味が混じっています。たとえば「悪魔」は、正位置では「抜け出しにくい執着や誘惑」という警告ですが、逆位置では「束縛からの解放、悪循環を断ち切る動き」という、むしろ前向きな読みになっています。
やさしく言うと、逆位置は「そのカードのもう一つの顔」です。悪い意味になるとは限らず、「力が出にくい状態」や「変化の兆し」を教えてくれる場合もあります。
タロットを読む基礎③ ― スプレッド(カードの並べ方)
カードを引いて並べる方法を、「スプレッド」といいます。並べ方によって、一枚ごとに「役割」が決まります。代表的なものを挙げます。
- ワンオラクル(1枚引き):今日のヒントや、いまの気持ちを一枚で読む、いちばんシンプルな方法。
- スリーカード(3枚引き):3枚を「過去・現在・未来」、または「状況・課題・助言」などの役割で読む方法。流れが見えやすく、初心者にも人気があります。
- ケルト十字:10枚を十字と縦一列に並べる、伝統的な大きな並べ方。1910年のウェイトの解説書で紹介され、広く知られるようになりました。
どのスプレッドが「正しい」ということはありません。悩みの深さや時間に合わせて選びます。カードの枚数が増えるほど、情報も増えますが、そのぶん読み解くのも大変になります。まずは1枚から始めて、慣れたら3枚に進むのが一般的です。
やさしく言うと、スプレッドは「カードを置く場所ごとに、質問の役割を決めておく台紙」です。同じカードでも、置かれた場所によって、読み取る内容が変わります。
タロットと心理学 ― 「絵から連想する」ことの力
近年は、タロットを予言の道具というより、「絵をきっかけに自分の考えを言葉にするための道具」として使う人も増えています。カードに描かれた人物や象徴を眺めていると、「この人は自分に似ている」「この場面はあの出来事を思い出す」といった連想が自然に浮かびます。その連想こそが、自分の気持ちや状況を整理する手がかりになる、という考え方です。
この考え方は、しばしば心理学(とくにユングの「元型」という考え方)と結びつけて語られます。ただし、これは後の時代の解説者たちが結びつけたもので、タロットの歴史そのものとは別の話です。「心理学的な効果が科学的に証明されている」という意味でもありません。あくまで「そういう使い方をしている人が多い」という説明として受け取ってください。
当サイトの「タロット占い」の見方
ここでは、当サイトの無料ツールが実際に何をするのかを、正確に説明します。実装にない機能は、ここには書いていません。
使うカードと引き方
- 使うカード:「78枚すべて」(大アルカナ22枚+小アルカナ56枚)か、「大アルカナのみ」(愚者0番から世界21番までの22枚)かを、ページ上で選べます。
- 引き方:「1枚引き」「3枚引き」「恋愛」「二択」「ケルト十字」の5種類から選べます。3枚引きのボタンには「3枚引く(過去・現在・未来)」と書かれていて、3枚引きの結果には、1枚ずつ「過去」「現在」「未来」の見出しが付きます。恋愛・二択・ケルト十字については、このあと詳しく説明します。
- 同じ引きの中で、同じカードが2枚出ることはありません(選んだ78枚または22枚の中から、重ならないように選びます)。
- 正位置・逆位置:カード1枚ごとに、半々の確率でどちらかが決まります。小アルカナにも、正位置と逆位置があります。
- 乱数で引くため、誕生日や日付には左右されません。同じ人が引き直すたびに、結果は変わります。
大アルカナのみの場合、1枚引きの出方は「22枚×正逆の2通り」で44通りです。3枚引きの場合は、「1枚目22通り×2枚目21通り×3枚目20通り=9,240通り」に、正逆それぞれ2通りの組み合わせ(2×2×2=8通り)を掛けて、全部で73,920通りにもなります。78枚すべての場合は、1枚引きで156通り、3枚引きでは「78×77×76=456,456通り」に8通りを掛けて、3,651,648通りです。同じ結果を引く確率は、かなり小さいといえます。
78枚すべてを選ぶと、小アルカナの56枚も引く対象に入ります。小アルカナは、ワンド(火)・カップ(水)・ソード(風)・ペンタクル(地)の4つのスートに分かれ、各スートに、エースから10までの数札と、ペイジ・ナイト・クイーン・キングの4枚の人物札があります。この4つのスートは、杯・貨幣・剣・棒の4種類のマークを持つ、トランプの祖先にあたるカードの流れをくむもので、14世紀後半にイスラム圏からヨーロッパへ伝わったカードにさかのぼるとされます。火・水・風・地の四元素との対応は、のちの占いや神秘思想の中で結びつけられた考え方で、カードが生まれた当初からの決まりではありません。
3枚引きに小アルカナが混ざったときは、読み方が変わります。大アルカナだけの3枚なら、番号の並びを「旅の物語」のようにたどって読めますが、小アルカナが入ると、番号でつながる物語にはなりません。そこで当サイトでは、3枚のうち大アルカナが何枚含まれているか、どのスートに偏っているかから、全体の傾向を読みます。一般に、大アルカナが多いほど人生の大きな節目に関わる話、同じスートが重なれば、そのスートが表すとされる領域(ワンドなら意欲や行動、カップなら気持ちや人間関係、ソードなら考えや対立、ペンタクルならお金や仕事、暮らし)に話の重心がある、と読まれます。1枚ごとの正位置・逆位置は、小アルカナでも、これまでどおり読みます。
やさしく言うと、78枚で引くと、「主役」の大アルカナに「脇役」の小アルカナが加わり、日々の細かな出来事まで映しやすくなります。3枚に小アルカナが混ざったら、並び順の物語より、「主役が何枚いるか」「どのスートが多いか」に目を向けてみてください。
結果画面に出る項目
結果画面には、引いたカードの名前と正位置・逆位置の表示、そして、そのカードの向きに合わせた短い解釈文が出ます。解釈文は、正位置用と逆位置用が、それぞれ1つずつ用意されています。絵柄そのものは表示されません。
3枚引きの場合、結果画面には、引いた順にカードが3枚並び、1枚ずつに「過去」「現在」「未来」の見出しが付きます。見出しのすぐ下に、カードの名前と正位置・逆位置、続けて解釈文が出る形です。1枚目が過去、2枚目が現在、3枚目が未来の役割になります。一方、1枚引きのときは、見出しは付かず、カードの名前と解釈文だけが表示されます。
やさしく言うと、当サイトのタロットは「78枚、または大アルカナ22枚の中から引いて、短いひと言メッセージを受け取る」つくりです。3枚のときは、1枚ずつに付いた「過去」「現在」「未来」の見出しに沿って、順に読んでいきます。
恋愛・二択・ケルト十字の引き方
1枚引き・3枚引きのほかに、目的に合わせた3つの引き方があります。引く流れは1枚引き・3枚引きと同じで、並んだ束から必要な枚数を選び、1枚ずつめくっていきます。違うのは枚数と、置かれた場所ごとに決まっている「役割」です。結果では、1枚ずつにその場所の役割が示されます。
- 恋愛(5枚):「あなたの気持ち」「相手の気持ち」「二人の今の関係」「二人の間にあるもの(障害)」「二人の近い未来」の順に読みます。自分と相手、そして二人のあいだを分けて見られるのが特徴です。ただし「相手の気持ち」のカードは、相手の本心を言い当てるものではありません。あなたの目に映っている相手の傾向として受け取ってください。
- 二択(5枚):AとBのどちらを選ぶか迷っているときの引き方です。1枚目が「今のあなた」、2枚目と3枚目が「Aを選んだときの流れ」と「Aの行き着く先」、4枚目と5枚目が「Bを選んだときの流れ」と「Bの行き着く先」です。選択肢のAとBには、「転職する」「今の職場に残る」のように、任意で言葉を入れられ、入れた言葉は結果の表示にも反映されます。最後の総合リーディングでは、AとBのカードを見比べて、どちらが明るい流れに見えるかをまとめます。
- ケルト十字(10枚):一つの悩みを、いくつもの方向から読む大きな引き方です。「現状」「障害・交差するもの」「目指すもの(意識)」「根っこ(無意識)」「過去」「近い未来」「あなたの姿勢」「周りの状況」「願いと恐れ」「最終的な結果」の10の役割があります。総合リーディングでは、中心の2枚、意識と無意識のずれ、10枚全体の傾向、そして「あなたの姿勢」のカードから読み取れるヒントをまとめて示します。
ケルト十字は、1910年ごろに出たウェイトの解説書『タロット図解』(The Pictorial Key to the Tarot)で紹介されたことをきっかけに、広く使われるようになったとされます。ウェイト自身は「古いケルトの占い方」という触れ込みで載せましたが、本当に古代までさかのぼるのかは確かめられていません。ウェイトが属していた魔術結社「黄金の夜明け団」の周辺で生まれた方法ではないか、という見方もあり、はっきりした起源は分かっていません。カードを置く順番や、それぞれの場所の意味づけも、本や読み手によって少しずつ違います。当サイトの10の役割は、そうした違いを踏まえて、初めての方にも分かりやすい言葉に置き換えたものです。
当サイトの見方では、枚数が多い引き方ほど、「吉か凶か」を決めるより、「どこに手を入れれば流れが変わるか」を探すのに向いています。1枚引きは一つの答えをくれますが、10枚のケルト十字は、状況・障害・自分の姿勢・周りの状況を別々の場所に分けて見せてくれます。たとえば結果のカードが重くても、「あなたの姿勢」の1枚が変われば、行き着く先も変わるかもしれません。二択でも同じで、明るく見えるほうを選ぶためだけでなく、暗く見えるほうの「流れ」のどこでつまずきやすいかを知る材料として使うと、カードの枚数を生かしやすくなります。
やさしく言うと、恋愛は「二人の関係を分けて見る」、二択は「二つの道を並べて比べる」、ケルト十字は「一つの悩みを10の方向から眺める」引き方です。枚数が多いほど、答えそのものより、考えるための手がかりが増えます。
Aさんの3枚を読んでみる
先ほどの実例に戻ります。「転職の応募を迷っている」と考えていたAさんが引いた3枚は、画面では、次のような見出しと解釈文で表示されます(ツールの表示を、そのまま示します)。
- 見出し「過去」 力(逆位置):自信の喪失、あるいは内なる衝動に振り回される状態。
- 見出し「現在」 皇帝(正位置):確立された秩序と支配力。責任を持って物事を統率する力。
- 見出し「未来」 吊るされた男(正位置):あえて動かない時間が、新しい視点をもたらす。
これを一つの物語として読んでみます(あくまで読み方の一例で、予言ではありません)。過去は、自信が揺らいだり、気持ちが先走ったりしていた時期。いまは、自分で段取りを握って、責任を持って決められる状態にある。そして次に来るのは、あえて急がず、立ち止まって別の角度から眺めてみる時間、と読めます。「すぐ応募ボタンを押す」というより、「落ち着いて条件を見直してから決める」という流れを暗示している、とも受け取れるでしょう。
大切なのは、結果が「応募しなさい」「やめなさい」と命令しているわけではない点です。占いの結果は、自分の気持ちを整理するための材料にすぎません。読んだあとに「そうかもしれない」「それは違う気がする」と自分の中に反応が起こること、そのものに意味があります。
Bさんの1枚を読んでみる
「最近少し疲れている」と感じていたBさんが引いたのは、「星(正位置)」でした。解釈文は「静かな希望と、癒しの兆し。心が澄んでいく時期。」です。疲れているときに引くと、少し肩の力が抜けるようなカードです。「無理に頑張るより、静かに回復する時間を大切にしてよい」というメッセージとして受け取れるでしょう。ここでも、これは医療的な判断ではなく、気持ちを整えるひとつのきっかけとして読んでいます。
タロットの用語かんたん早見表
- タロット:78枚(大アルカナ22枚+小アルカナ56枚)で一組の絵札。もとは15世紀イタリアのカードゲームの札。
- トリオンフィ:タロットが生まれた当時の呼び名。「凱旋・勝利」の意味で、英語の「トランプ(切り札)」と同じ語源とされる。
- 大アルカナ:愚者(0)から世界(21)までの22枚。人生の大きな場面や心の動きを象徴する主役のカード。
- 小アルカナ:4つのマーク×14枚の56枚。日常の出来事や感情を表す脇役のカード。当サイトのツールでは、「78枚すべて」を選んだときに使います。
- アルカナ:ラテン語の「秘密」に由来するとされる言葉。
- 正位置・逆位置:カードが正しい向きか、上下が逆さまかの区別。向きによって読み方が変わる。
- スプレッド:カードを引いて並べる方法。1枚引き、3枚引き、ケルト十字などがある。
- ケルト十字:10枚を使う伝統的なスプレッド。1910年のウェイトの解説書で広く知られた。
- 愚者の旅:大アルカナを、ひとりの人物の旅と成長の物語として読む見方。20世紀以降に広まった整理のしかた。
- マルセイユ版:17〜18世紀のフランスで広まった伝統的な絵柄の様式。名前は1856年に付けられた。
- ウェイト版:1909年に出版された、ウェイトとパメラ・コールマン・スミスによるデッキ。現代の標準の一つ。
- エテイヤ:18世紀のパリの占い師。タロット占いを職業として広めた人物とされる。
- エジプト起源説:「タロットは古代エジプトの秘密の書」という説。1781年に唱えられたが、証拠はなく俗説。
タロットは、いまどう使われているか
現在のタロットは、大きく三つの場面で使われています。ひとつめは、占い師による対面やオンラインの鑑定。ふたつめは、自分でカードを引いて楽しむ「セルフリーディング」。みっつめは、カウンセリングやコーチング、創作の発想を得るための道具としての使い方です。カードを引く行為そのものを、「立ち止まって自分に問いかける時間」として取り入れる人も増えています。
一方で、遊びとしてのタロットも今なお続いています。フランスやイタリア、オーストリアなどのヨーロッパの一部の地域では、タロットのカードを使ったカードゲームが、いまも愛好者に遊ばれています。占いの札としてのイメージが強い私たちにとっては意外ですが、「遊びの札」としての歴史は、いまも途切れていません。
オンラインでは、画面上でカードを引くツールやアプリが数多くあります。当サイトのように、ボタンひとつで引ける手軽さは、気軽に触れる入り口として役立ちます。もちろん、実物のカードを混ぜて自分の手で引くときの手触りには、別の魅力があります。
タロットを楽しむための5つのコツ
- 質問を具体的に、開いた形にする:「あの人は私を好きですか?」のような、相手の心を決めつける質問より、「この関係で、私が大切にしたいことは何か」のように、自分の側に焦点を当てた質問のほうが、読みやすくなります。
- 「いい・悪い」で判断しすぎない:怖い名前のカードが出ても、慌てなくて大丈夫です。変化や区切りの場面を表していることが多いからです。
- 3枚は「物語」として読む:カードを一枚ずつ切り離さず、「過去から現在、そして次の一歩」という流れで読むと、意味がつながりやすくなります。
- 直感を大切にする:解釈文を読んで「そうかも」「違う気がする」と感じた、その反応が大切な手がかりです。
- 引き直しは、気持ちを確かめるつもりで:結果が気に入らずに何度も引き直したくなるのは自然なことです。ただそれは「自分が本当は何を望んでいるか」を教えてくれるサインでもあります。
また、その日に引いたカードと、そのときの気持ちや出来事を、手帳やメモに短く残しておく方法もおすすめです。後から読み返すと、「あのとき出たカードは、こういう意味だったのかも」と気づくことがあります。
考察 ― なぜ人は、絵札に「運命」を映してきたのか
ここからは、歴史の整理にとどまらず、当サイトの視点で、タロットという占いの背後にあるものを考えてみます。「これは推察ですが」「当サイトの見方では」と書いた部分は、当サイト独自の考えであり、定説ではありません。
「偽りの起源」が、絵札に重みを与えた
古代エジプト起源説は、史実としては成り立ちません。それでも、この説は占いの世界に長く影響を与え続けました。なぜでしょうか。
これは推察ですが、18世紀のヨーロッパで、この物語がとても魅力的だったからではないでしょうか。当時のヨーロッパでは、古代エジプトは、キリスト教より古い、失われた叡智を秘めた土地として、憧れの対象になっていました。「遊びのカード」だったものに、「はるか昔の秘密の書物」という物語が重ねられたとき、ただの絵札が、急に神秘的な重みを持つようになりました。
当サイトの見方では、ここに占いの本質の一つがあります。占いの道具は、「何でできているか」より、「どんな物語をまとっているか」によって、力を持つのです。物語は事実でなくても構いません。使う人が「これは自分の運命を映してくれるものだ」と感じられること。その感覚が、絵札を「見るだけの絵」から「問いかける相手」に変えます。
大アルカナには、なぜ「敗北」や「悪役」まで並ぶのか
大アルカナには、「塔」(崩壊)、「悪魔」(誘惑)、「死神」(終わり)、「吊るされた男」(身動きの取れない姿)など、けっして明るくない札が含まれています。「運勢を占う道具なのに、なぜ怖い札を入れたのか」と、不思議に感じる方もいるでしょう。
ここでもう一度、タロットの前身が「トリオンフィ(凱旋)」だったことに注目したいと思います。15世紀のイタリアでは、勝者を称える行列や、人生と死をテーマにした寓意的な絵が人気でした(詩人ペトラルカの『凱旋』に触発された、とする説もあります)。そうした世界観から見れば、「死」も「運命」も「悪」も、人間の行列に登場する当然の顔ぶれだったのかもしれません。これは推察ですが、幸運だけを並べた札より、恐れや失敗も含めた札のほうが、「人生全体を映している」と感じられ、長く使われたのではないでしょうか。
当サイトのツールでも、この考え方を受け継いでいます。たとえば「塔」は、突然の崩壊であると同時に「古い枠組みを壊す必要な変化」と読み、「死神」は「終わりは始まりでもある」と読みます。怖い名前のカードに、「だから怖がらなくていい」という余白を残す。これは、当サイトが大切にしている姿勢です。
逆位置という「もうひとつの読み」の役割
カードが逆さまに出るという偶然は、占いの結果に、大きな幅をもたらします。同じ「悪魔」でも、正位置なら「執着への警告」、逆位置なら「束縛からの解放」。同じ「月」でも、正位置は「はっきりしない不安への察知」で、逆位置は「霧が晴れていく兆し」です。
当サイトの見方では、逆位置は「結果を悪くするための仕掛け」というより、「読む人が、自分の状態に合わせて選べる、二つ目の入口」として働いています。つらいときに出たカードが正位置で厳しい意味だったとしても、逆位置なら別の光が差すことがある。人はその「余地」を求めて、カードを引くのかもしれません。
ただし、逆位置の意味づけは、伝統の中でも読み手によって違いますし、当サイトの解釈文も、当サイトなりの一つの読み方です。「逆位置の意味はこれが正解」と決めつけず、あくまで一つの目安として受け取ってください。
22という数字と、「愚者」だけが番号の外にいること
大アルカナが22枚であることは、ヘブライ文字が22文字であることと結びつけて語られてきました。1781年のジェブランの著作に収められたド・メレ伯爵の文章がその始まりで、後に19世紀の魔術思想へ受け継がれました。ただし、この対応が歴史的に最初からあったわけではありません。むしろ後から、数の一致に意味が見いだされたのだと考えられます。
この22枚の中で、「愚者」は少し不思議な立場にいます。他のカードには1から21までの番号が付いているのに、愚者は0番、つまり「数の外」にいます。古い伝統の並びでは、愚者に番号が振られていないものもあります。これは推察ですが、愚者は「順番のあるルールの外から、世界を眺める存在」として置かれているのではないでしょうか。
当サイトのツールでも、愚者の解釈は「新しい旅立ち。何ものにも縛られない、自由な可能性の始まり」です。秩序(皇帝)や伝統(教皇)を並べた同じ札の中に、それらの外側にいる自由な存在を入れておく。この対比の面白さは、タロットの魅力の一つだと、当サイトは考えています。
占いの言葉が「当たる」ように感じる、心のしくみ
カード占いの解釈文を読んで「当たっている」と感じる経験は、多くの人にあります。心理学には、誰にでも当てはまるような曖昧な記述を、自分だけに向けられた正確な言葉だと受け取ってしまう現象があり、「フォアラー効果(バーナム効果)」と呼ばれています。
当サイトの見方では、この現象は、占いを否定するためだけの言葉ではありません。むしろ、占いの言葉が「自分の中の何かを引き出す鏡」として働く仕組みを、よく説明しています。「力(逆位置)」の解釈文を読んだとき、人は自分の中から「自信をなくした場面」を探し出します。その探す作業が、自分を見つめ直す時間になっているのです。
そのため当サイトは、タロットの結果を「未来の予告」ではなく、「自分の中にある問いを見つけるためのきっかけ」として位置づけています。
人は、なぜ「引く」ことを求めるのか
最後に、タロットの本質的な問いに触れておきます。人は、なぜカードを「引く」のでしょうか。考える時間を短縮したいから、という理由だけではないと思います。
これは推察ですが、迷っているとき、人は決断の責任を、自分ひとりで背負うのが怖いのではないでしょうか。「カードが言ったから」という理由があれば、少しだけ、その重さを預けられます。一方で、カードを引いた瞬間に「えっ、これは違う」と感じたなら、その反応こそが、自分の本当の答えです。つまり、カードを引く行為は、決断を外に預けるようでいて、じつは自分の心の反応を観察する装置になっているのです。
15世紀の貴族が札を切ったとき、18世紀のパリの人々が占い師の前に座ったとき、そして現代の私たちが画面のボタンを押すとき。形は違っても、そこにあるのは「答えを知りたい」というより、「自分の気持ちに、名前を付けてもらいたい」という願いなのかもしれません。
この占いと向き合う際の注意
本記事および当サイトの「タロット占い」は、エンターテインメントおよび自己理解のヒントとして提供するものであり、結果を保証するものではありません。医療・法律・投資・進学・就職・結婚などの重要な判断の代わりにもなりません。そうした判断は、専門家や信頼できる人に相談したうえで、ご自身で行ってください。
「悪いカードが出たから、この先は不幸になる」「このカードが出たから、必ずうまくいく」といった断定は、タロットの読み方としても適切ではありません。カードは未来を確定させるものではなく、いまの気持ちや状況を見つめ直すきっかけです。結果に強い不安を感じる場合は、いったん占いから離れて、休んだり、身近な人に話したりしてください。眠れない、気分の落ち込みが続くといった場合は、医療機関や公的な相談窓口への相談も検討してください。
また、高額な鑑定料や開運グッズの購入を強くすすめられた場合は、その場で決めず、いったん持ち帰って冷静に考えてください。特定の実在の個人や団体について、その運命を占って断定することも、おすすめできません。
本記事の歴史に関する記述は、複数の資料を参照して当サイトの言葉でまとめたものです。タロットの歴史には諸説あり、とくに最初期の占い利用の年代や、人物の活動の詳細には、資料によって記述が異なる点があります。また、「これは推察ですが」「当サイトの見方では」と明記した部分は、当サイト独自の考察であり、定説ではありません。
よくある質問
Q. タロットとは何ですか?
A. 絵の描かれた札の一組(通常は78枚)で、占いや、自分の考えを整理する道具として使われます。もとは15世紀のイタリアで、貴族がカードゲームに使っていた札でした。
Q. タロットは、いつから占いに使われているのですか?
A. 確かな占いの記録は18世紀からです。1750年ごろの写本に簡単な意味づけが見られ、1780年代のフランスで、占い師のエテイヤらによって本格的な占い利用が広まりました。15世紀の誕生当時は、占いではなくゲーム用の札でした。
Q. タロットは、古代エジプトが起源というのは本当ですか?
A. 本当ではありません。1781年にフランスの学者が唱えた説ですが、これを裏づける証拠は見つかっていません。史実としての起源は、15世紀の北イタリアのカードゲームです。
Q. 大アルカナと小アルカナの違いは何ですか?
A. 大アルカナは、愚者から世界までの22枚で、人生の大きな場面を象徴します。小アルカナは、4つのマーク×14枚の56枚で、日常の出来事や感情を表します。
Q. 当サイトのタロット占いは、何枚のカードを使いますか?
A. ページ上で、「78枚すべて」(大アルカナ22枚+小アルカナ56枚)と「大アルカナのみ」(22枚)を選べます。どちらでも、1枚引き・3枚引き・恋愛(5枚)・二択(5枚)・ケルト十字(10枚)の5種類の引き方を選べます。
Q. 3枚引きで小アルカナが混ざったときは、どう読めばよいですか?
A. 小アルカナが入ると、番号の並びでつながる物語としては読みにくくなります。当サイトでは、3枚のうち大アルカナが何枚あるか、ワンド・カップ・ソード・ペンタクルのどのスートに偏っているかから、全体の傾向を読みます。1枚ごとの正位置・逆位置の読み方は、大アルカナと同じです。
Q. 正位置と逆位置とは何ですか?
A. カードが正しい向きで出たものを正位置、上下が逆さまで出たものを逆位置といいます。向きによって、読み方が変わります。当サイトでは、カード1枚ごとに半々の確率で、どちらかが決まります。
Q. 逆位置は、悪い意味ですか?
A. 一概に悪い意味とは限りません。「警告」の意味になることもあれば、「束縛からの解放」「霧が晴れる兆し」のように、前向きな意味になることもあります。逆位置の意味づけは、読み手によっても異なります。
Q. 「死神」や「塔」のカードが出ました。悪いことが起きますか?
A. カードの名前は怖くても、多くの場合、「終わりと再生」「古い枠組みが壊れて、新しくなる」といった変化の場面を表します。悪いことが起きると決まったわけではありません。
Q. 3枚引きでは、順番に意味がありますか?
A. はい。当サイトの3枚引きでは、結果に上から順に「過去」「現在」「未来」の見出しが付き、1枚目が過去、2枚目が現在、3枚目が未来の役割になります。1枚引きのときは、見出しは付きません。
Q. ケルト十字とは何ですか?
A. 10枚のカードを十字形と縦一列に並べて、一つの悩みを「現状」「障害」「意識と無意識」「過去と近い未来」「自分の姿勢」「周りの状況」「願いと恐れ」「結果」といった方向から読む引き方です。1910年ごろのウェイトの解説書で紹介されて広まったとされますが、はっきりした起源は分かっていません。当サイトでも、10枚で引けます。
Q. 二択の引き方は、どう使えばよいですか?
A. AとBのどちらを選ぶか迷っているときに使います。選択肢のAとBに、「引っ越す」「今の部屋に住み続ける」のような言葉を入れておくと、結果の表示にもその言葉が反映されるので読みやすくなります(入れなくても引けます)。1枚目が今のあなた、2〜3枚目がAの流れと行き着く先、4〜5枚目がBの流れと行き着く先で、最後にどちらが明るい流れに見えるかをまとめます。決めるのはあくまで自分自身なので、判断の材料の一つとして使ってください。
Q. 同じ日に、何度でも引けますか?
A. 回数の制限はありません。ただし、結果が気に入らずに引き直しを繰り返すより、最初に出たカードの意味を、しっかり味わうのがおすすめです。乱数で引くため、引くたびに結果は変わります。
Q. 誕生日によって、引けるカードは変わりますか?
A. 変わりません。タロットは生年月日から計算する占いではなく、当サイトのツールも乱数で引いています。
Q. ウェイト版とは何ですか?
A. 1909年にロンドンで出版された、アーサー・エドワード・ウェイトの監修、パメラ・コールマン・スミスの絵によるデッキです。小アルカナにも場面が描かれたことなどで、現代のタロットの標準の一つになりました。
Q. 当サイトは、市販のタロットカードを使っていますか?
A. 使っていません。当サイトのタロットは、カード名と短い解釈文を当サイトの言葉で用意したもので、特定の市販デッキの絵柄や解説文は使用していません。
Q. タロットは当たりますか?
A. 当たることを裏づける確立した科学的研究は、見当たりません。当サイトでは、歴史ある文化として、また自分の気持ちを整理するきっかけとして紹介しています。
Q. 当サイトのタロット占いは無料で使えますか?
A. はい、無料で使えます。ボタンを押すだけで、78枚すべて、または大アルカナ22枚の中から、1枚引き・3枚引き・恋愛・二択・ケルト十字の5種類の引き方で引けます。
あわせて試したい関連の占い
同じ「引く」体験でも、選ぶ道具が変わると、受け取る言葉の手触りが変わります。読み比べると、いまの自分の気持ちがより立体的に見えてきます。
解説記事もあわせてどうぞ
文章でじっくり読みたい方は、こちらの解説記事もどうぞ。
参考にした資料
本記事は、次の資料を参考に、当サイトの言葉でまとめました(文章の引き写しではありません)。記事中の「Aさん」「Bさん」のカードは、当サイトの「タロット占い」ツールのカードデータと、引く仕組みを使って実際に引いた結果です。
- Tarot – Wikipedia(英語版)
- Tarot card reading – Wikipedia(英語版)
- Tarot de Marseille – Wikipedia(英語版)
- Antoine Court de Gébelin – Wikipedia(英語版)
- Etteilla – Wikipedia(英語版)
- Rider–Waite Tarot – Wikipedia(英語版)
- The Pictorial Key to the Tarot – Wikipedia(英語版)
- タロット – Wikipedia(日本語版)
鴉番組では、怪談や心霊スポットの取材動画を、カラスチャンネル(YouTube)で公開しています。
この記事に出てくるものを夢で見たら
記事に出てくるものが夢に現れたときの意味を、鴉番組の夢占い辞典で心理学と言い伝えから読み解いています。
- タロットの夢の意味引いたカードに今の自分へのメッセージがあるとされる。カード名を覚えていれば…
あなたが一番怖いと思う記事は?
この記事が一番怖いと思ったら、下のボタンを押してください。サイト全体で1票、あとから別の記事に変更もできます。
この記事はいかがでしたか?
お気に入り登録すると、マイページから登録した記事をまとめて確認できます。












コメント