
羅城門 ― 国家の玄関が「死体置き場」になるまで
京都市南区にあった平安京の正門・羅城門が、荒廃して死体置き場のようになったと伝わる経緯を記録する。『今昔物語集』の老婆と盗人の話、天災と財政難、現在は石碑のみが残る跡地の様子と、当サイトの考察をまとめた。国家の玄関が見捨てられた場所になった背景を追う。

阿倍仲麻呂の鬼 ― 唐で客死した歌人は、なぜ鬼となって吉備真備を助けたのか
「天の原」の望郷の歌で知られる阿倍仲麻呂は、平安後期の説話で、唐の楼に巣食う鬼として吉備真備の前に現れ、帰国を助けたと語られた。故郷に帰れなかった男はなぜ鬼にされたのか。史実と伝説を分け、当サイト独自の考察で帰れなかった者の念を読み解く。

佐和山城 ― 石田三成の一族が消えた「女郎墜」の悲劇
滋賀県彦根市の佐和山城跡に伝わる「女郎墜」の悲劇を記録する。関ヶ原の戦いからわずか2日後に落城した石田三成の居城で、女性たちが辱めを恐れて崖に身を投げたと伝わる地名の由来と、その後徹底的に破却された城の運命を考察する。

徐福伝説 ― 熊野・波田須に眠る「不老不死を求めた男」の足跡
三重県熊野市波田須に伝わる徐福伝説を記録する。秦の始皇帝の命を受け、不老不死の霊薬を求めて東方の海へ渡ったとされる徐福が、なぜ二度と国へ戻らなかったのか、地元に出土した秦代の貨幣が示す手がかりとともに詳しく考察していく。

猿投山 ― 双子の兄・大碓命が「毒蛇」に散った、もう一つの結末
愛知県豊田市の猿投山に伝わる大碓命の伝説を記録する。日本書紀では美濃へ追いやられたとされる日本武尊の双子の兄が、なぜ地元・尾張ではこの山で毒蛇に噛まれて亡くなった悲劇の神として祀られているのか、その食い違いを考察する。

大井川「越すに越されぬ」川越制度 ― 橋も渡し船もなかった理由
静岡県中部を流れる大井川には、江戸時代を通じて橋も渡し船も無かった。旅人は川越人足に担がれて渡るしかなく、水位によって値段が変わる川札の仕組みや、なぜ架橋が長く禁じられていたのかという理由、そこに生まれた経済格差までを記録し、考察する。

両面宿儺(りょうめんすくな)――朝廷が「鬼」と呼び、飛騨が「英雄」と祀った男
岐阜の飛騨地方に伝わる両面宿儺の伝説を記録する。日本書紀では朝廷に討伐された異形の怪人として記されるが、飛騨地方では正反対に、寺院を開いた英雄として千光寺・善久寺に今も祀られ続けている、その伝承の食い違いと理由をたどる。

鬼女紅葉伝説 ― 同じ女性が「鬼」にも「村を救った聖女」にもなった理由
戸隠では人を襲う鬼女、隣の鬼無里では機織りや養蚕を教えた貴女として語られる紅葉。源経基の側室が京を追われた由来から、平維茂の討伐譚、能「紅葉狩」への展開までをたどり、正反対の伝承が生まれた背景を考察する。同じ女性が二つの顔を持った理由に迫る。

忍野八海 ― 「宇津湖」が消えたあの日、湖底に沈んだのは本当に水だけだったのか
山梨県忍野村の忍野八海は、かつて「宇津湖」という一つの湖だったと伝わる。湖が八つの池に分かれた経緯に重ねられた幻の超古代文明の伝説と、富士講の巡礼者が身を清めた「みそぎ」の場としての信仰を、富士山の湧水が生んだ世界遺産の景色とともにたどる。

敦賀の地名はなぜ「角」なのか ― 額に角を持つ渡来人の伝説
福井県敦賀市の地名は、額に角を持つ渡来人ツヌガアラシトの伝説に由来するとされる。『日本書紀』の二つの物語、「角鹿」から「敦賀」へ変わった経緯、新羅との関わりを整理し、異形として語られた意味を当サイトの視点で考察する。地名に残る古代の国際交流の記憶を読み解く。